AIニュース|2025-11-18 Geopolymer の新着まとめ

Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials を中心に、キーワード「Geopolymer」に関連する新着論文 2 本の要点をまとめました。


Development of geopolymer foam based on red brick waste incorporating inorganic hydrated salts for enhanced building energy conservation

近年、地球温暖化対策やエネルギーコスト削減の観点から、建築分野における省エネルギー化と居住快適性の向上が喫緊の課題となっています。この課題に対する有効な解決策の一つとして、相変化材料(PCM: Phase Change Material)を建材に組み込み、熱エネルギーを貯蔵・放出することで建物の温度変動を抑制し、空調負荷を軽減する技術が注目されています。しかし、従来の建材にPCMを安定して組み込むには、材料の適合性や耐久性、コストなどの課題が存在し、特に持続可能な資源を活用した新しい建材の開発が求められています。建物の外壁や屋根などの外皮システムにPCMを組み込むことで、熱的快適性を改善し、エネルギー効率を高めることが期待されています。

本研究は、こうした背景のもと、産業廃棄物である赤レンガ廃棄物(RBW)を持続可能なアルミノケイ酸塩源として再利用し、これを原料としたジオポリマーフォーム(GFB)を開発しました。このGFBは、その多孔質構造を活かし、熱エネルギー貯蔵材であるPCMの堅牢な担体として利用することを意図しています。具体的には、炭酸ナトリウム十水和物、硫酸ナトリウム十水和物、リン酸水素二ナトリウム十二水和物からなる三種類の三元共晶水和塩PCM(T.E1、T.E2、T.E3)を新規に合成しました。これらのPCMは、化学発泡法によって作製したGFBの多孔質マトリックス内部に含浸され、新たな複合PCM(T.E1@GFB、T.E2@GFB、T.E3@GFB)が創製されました。開発された複合PCMの熱的特性を評価した結果、それぞれ59.82 kJ/kg、85.62 kJ/kg、64.74 kJ/kgという優れた潜熱蓄熱容量を示すことが確認されました。特に、T.E1@GFBは、他の複合材と比較して過冷却現象が最小限に抑えられ、機械的強度が向上していることに加え、長期にわたる熱サイクル試験においても高い安定性を維持することが明らかになりました。

これらの研究成果は、赤レンガ廃棄物という未利用資源の高度な有効活用を可能にするだけでなく、高機能な熱エネルギー貯蔵建材の開発に新たな道を開くものです。RBW由来のジオポリマーフォームは、PCMを安定的にカプセル化するための堅牢なマトリックスとしての高い潜在能力を示しており、特にT.E1@GFBは、持続可能な建築システムにおける熱エネルギー貯蔵応用のための極めて有望な候補となり得ます。本研究で提案された技術は、資源循環型社会の実現に貢献するとともに、建築物のエネルギー効率を飛躍的に向上させ、居住者の快適性を高める革新的な解決策を提供し、将来のスマートシティ構築に向けた重要な一歩となるでしょう。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


A comprehensive experimental investigation on tire char replacement in geopolymer concrete: Mechanical and fracture features

地球規模でのカーボンニュートラル目標達成に向け、建設産業における環境負荷低減と資源循環は喫緊の課題です。この文脈で、産業副産物を原料とし、製造時の炭素排出量を大幅に削減できる「地ポリマーコンクリート」が、従来のセメントコンクリートに代わる環境配慮型建材として注目されています。しかし、その性能向上と新たな機能付与が模索される中、廃タイヤの熱分解から得られる「タイヤチャー」が、地ポリマーコンクリートの機械的特性や破壊挙動にどのような影響を与えるかについては、これまで体系的な研究が十分に行われていませんでした。

本研究では、この未解明な領域に対し、廃タイヤ由来のタイヤチャーを地ポリマーコンクリートの骨材として再利用する包括的な実験が行われました。タイヤチャーを0%から12%まで2%刻みで段階的に置換した7種類の地ポリマー混合物を調製。これらから作製された曲げ用プリズムは、中央にノッチを施した上でたわみ制御式の三点曲げ試験に供され、2次元デジタル画像相関(DIC)技術により、荷重増加に伴うたわみとひずみマップが計測されました。加えて、破断した試験体の断片に対する軸圧縮試験も実施され、軸圧縮強度、曲げ強度、破壊エネルギー、不安定破壊靭性といった重要な力学特性が評価されました。

徹底した実験の結果、タイヤチャーを地ポリマーコンクリートに配合することが、その力学特性を顕著に向上させることが明らかになりました。特に、タイヤチャーを12%置換した混合物で軸圧縮強度が最大39.9%増加し、基礎強度の大幅な向上が示されました。また、平均曲げ強度も顕著に改善され、タイヤチャーを4%置換した配合で約40.8%もの向上が確認されています。さらに、材料の靭性を示す破壊エネルギーについても、4%のタイヤチャー置換から明確な増加傾向が示されました。これらの画期的な成果は、廃棄物である廃タイヤを高性能かつ持続可能な建設材料へと転換する新たな道筋を示します。本研究で確立された知見は、資源の有効活用と環境負荷低減という二つの課題に同時に貢献し、将来的に、より環境に優しく強靭な社会インフラの構築に貢献することが期待されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)