AIニュース|2025-12-28 Alkali-activated materials の新着まとめ

Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials を中心に、キーワード「Alkali-activated materials」に関連する新着論文 3 本の要点をまとめました。


Polyalphaolefin as a potential modifying agent for hard asphalt cement: Physical, rheological, and chemical characterization

現代のアスファルト舗装において、特にAC20-30のような硬質グレードのバインダーは、過剰な剛性、低い針入度、劣悪な作業性といった課題を抱えています。これらは舗装のひび割れや早期劣化につながるため、重交通路や厳しい気象条件下での使用には性能改善が不可欠です。しかし、既存の改質技術にはコストや性能バランスの課題があり、新たな解決策が求められます。本研究は、こうした背景のもと、合成オレフィン系潤滑油であるポリアルファオレフィン(PAO)が、硬質アスファルトバインダーの性能を向上させる新たな改質剤として機能するかどうかを詳細に評価しました。

本研究では、AC20-30アスファルトにPAOを2重量%から10重量%の範囲で配合し、物理的、レオロジー的、化学的、形態学的特性を評価しました。針入度、延性、軟化点、回転粘度などの基本物性評価に加え、アスファルトの耐久性を測る線形振幅掃引(LAS)試験、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)による化学構造分析、走査型電子顕微鏡(SEM)による微細構造観察を実施しました。その結果、PAOの配合はアスファルトバインダーの剛性を段階的に低減し、柔軟性を顕著に向上させ、全ての改質配合はAASHTO M332 Grade E仕様を満たしました。特に、LAS試験によって疲労性能が大幅に改善され、PAOを10%配合したバインダーは、未改質アスファルトと比較して疲労寿命が5%ひずみ条件下で実に18倍に増加しました。FTIR分析で脂肪族・不飽和官能基の増加、SEM画像で連続的かつコンパクトでない微細構造への変化が確認され、これらが性能向上に寄与していると見られます。PAOを6重量%配合した際が、低温柔軟性、疲労抵抗性、高温レオロジー特性で最適なバランスを示しました。

これらの成果は、PAOが硬質アスファルトバインダーの剛性を適切に低減しつつ、舗装の長寿命化に不可欠な疲労抵抗性も大幅に強化する「二重目的」の改質剤として極めて効果的であることを実証しました。さらに、コスト分析の結果からは、PAOを10重量%配合した場合でも改質バインダーの価格がAC40-50グレードのアスファルトを下回ることが示されており、その経済性も高いと評価されます。本研究は、高性能アスファルトバインダーを重交通舗装向けに開発するための、実用的かつ費用対効果の高い新しいアプローチを提供し、持続可能な交通インフラ構築に貢献が期待されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Bio-based intumescent flame retardant for fire-safe and mechanically enhanced rigid polyurethane foams

硬質ポリウレタンフォーム(RPUF)は、その軽量性や優れた断熱性能から、現代の建設・建築分野において広く活用されています。しかし、RPUFが本質的に持つ高い可燃性は、火災安全上の懸念を引き起こし、その応用範囲を大きく制限してきました。従来の難燃化手法では、しばしば環境負荷物質の使用や材料の機械的強度低下といった問題が伴うこともあり、防火性能と構造性能を両立する、より安全で持続可能な材料の開発が強く求められていました。

この課題に対し、最新の研究では、革新的なバイオベース膨張性難燃剤(LP)の開発に成功しました。本研究では、環境に優しい再生可能な原料であるフィチン酸、メラミン、リグニンを高度に統合し、単一の高分子構造を持つLPを合成。このLPは、豊富な水酸基とアミン基を持つため、ポリウレタンの原料であるイソシアネート基との反応性に優れ、RPUFマトリックス中に極めて均一に分散するという特長を持ちます。この均一な分散は、材料全体の性能を安定させ、難燃効果を最大限に引き出す上で重要な要素となります。

LPを添加したRPUF複合材料は、優れた防火性能と機械的強度の向上を同時に示しました。特に、LPを5%添加した複合材料では、未処理RPUFと比較して縦方向圧縮強度を64%向上させ、317.2 kPaを達成しています。これは、難燃剤添加による機械的特性低下という従来の課題を克服するものです。防火性能においても、10%LP添加複合材料は、限界酸素指数(LOI)が24.5%に達し、熱発生率のピーク値を15.7%減、総煙発生量を20.1%減に成功。これにより、RPUFの火災安全性が大幅に向上したことが明確に示されました。さらに、高膨張率の膨張性黒鉛(EG)とLPを併用することで、難燃性能がさらに飛躍的に高まることも確認されています。

本研究で開発されたバイオベース膨張性難燃剤は、再生可能な資源を基盤とし、硬質ポリウレタンフォームの防火安全性と機械的強度を同時に向上させるという、極めて大きな意義を持っています。これらの発見は、建設・建築分野において、高性能かつ環境に配慮した難燃フォームを開発するための新たな道筋を開きます。建築材料の安全性と環境性能を両立させる本技術は、持続可能な社会の実現に向けた、将来のインフラ構築に貢献するでしょう。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Anchorage properties of glued-in rebar connection in bamboo scrimber: Experimental and theoretical analysis

木材や竹を用いた構造物において、柔軟性、優れた意匠性、そして高い機械的性能を兼ね備える接着鉄筋(GIR)接続システムは、その有効性が広く認められ、多様な用途で採用されてきました。しかし、持続可能な建築材料として近年注目を集める高性能なエンジニアードウッドである竹スクリムバーへのGIR接続の適用については、その定着特性に関する系統的な知見が不足しており、設計や施工における大きな課題となっていました。本研究は、このギャップを埋めるべく、竹スクリムバーにおける接着鉄筋の軸方向引き抜き挙動を実験的および理論的に詳細に解明することを目的としました。

研究チームは、定着長さ、鉄筋径、細長比、接着層厚といった主要なパラメータが定着特性に与える影響を網羅的に評価するため、合計75体もの引き抜き試験体を製作し、系統的な実験を実施しました。その結果、主要な破壊モードとして鉄筋の引き抜き破壊と鉄筋自体の破断が確認され、特に接着破壊は主に接着剤と竹スクリムバーの界面で生じることが明らかになりました。引き抜き耐力は、定着長さ、細長比、および接着層厚の増加に伴い向上する傾向が見られましたが、その上限は鉄筋の破断耐力によって規定されることが示唆されました。また、接着剤と竹スクリムバー界面における付着応力の分布は一様ではなく、定着長さが長くなるにつれて初期に増大し、その後減少するという興味深い特性が観測されました。

これらの実験データを踏まえ、本研究ではさらなる理論的解析を進めました。まず、既存の竹材および木材構造におけるGIR接続の引き抜き耐力モデルを評価・検証した上で、特に竹構造の既存データベースに対する回帰分析に基づき、竹スクリムバーにおける接着鉄筋の引き抜き耐力を高精度に予測する新たなモデルを提案しました。さらに、接着鉄筋と竹スクリムバー間の多様な付着応力とすべりの関係を記述する構成モデルも開発され、GIR接続の挙動をより詳細に理解し、設計に反映させるための重要なツールが提供されました。これらのモデルは、竹スクリムバーを用いた構造物の信頼性の高い設計を可能にする基盤を確立するものであり、持続可能な建築材料としての竹スクリムバーの適用範囲を拡大し、環境負荷の低い建築技術の進展に大きく寄与することが期待されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)