AIニュース|2025-10-07 Geopolymer の新着まとめ

Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials を中心に、キーワード「Geopolymer」に関連する新着論文 3 本の要点をまとめました。


Performance enhancement of recycled concrete aggregates with phosphate-activated fly ash/chitosan/metakaolin ternary geopolymer

**再生コンクリート骨材の性能を革新する新技術:高機能ジオポリマーでアスファルト舗装の耐久性向上へ**

道路建設分野では、資源の有効活用と環境負荷低減が喫緊の課題であり、廃コンクリートを破砕して得られる再生コンクリート骨材(RCA)の活用が注目されています。しかし、RCAは高い吸水性や低い強度といった固有の欠陥を持つため、特に高性能が求められるアスファルト混合物用骨材としては性能要件を満たせないという課題がありました。このRCAの適用限界を克服することは、持続可能な社会の実現に向けた重要な技術的課題です。

本研究は、この課題に対し、フライアッシュ(FA)、キトサン(CS)、メタカオリン(MK)を主原料とするリン酸活性化ジオポリマー(PAG)を用いたRCAの性能向上技術を提案しています。P/Alモル比、FAおよびCSの配合量を最適化することで、開発されたPAGは、硬化体単独で収縮率を90.5%削減、靭性を35.3%向上させるなど、著しい性能改善を達成しました。この高機能PAGを用いてRCAの表面を改質したところ、改質RCAの吸水率は未改質RCAと比較して43%低減し、破砕値も16%減少するなど、骨材としての基本物性が大幅に向上しました。さらに、この改質RCAを配合したアスファルト混合物では、残留安定度が82~87%、凍結融解引張強度比が77~86%、動的安定度が2944~3539サイクル/mmという高い数値で向上し、従来のRCAでは実現困難であった高い耐久性と耐性を有するアスファルト混合物の開発に成功しました。詳細な解析により、FAがPAGの収縮抑制に、CSが骨材とアスファルトの界面遷移領域(ITZ)におけるエネルギー散逸能力向上を通じて靭性改善に寄与するメカニズムが解明されました。特にITZのヤング率は、未改質RCAのそれと比較して22%向上し、52.2 GPaに達することが確認されました。

本研究で確立されたPAGを用いたRCA改質技術は、従来のRCAが抱える性能不足の問題を解決し、アスファルト舗装用骨材としての適用拡大を可能にします。これは建設廃棄物の削減と天然骨材の消費抑制に貢献し、持続可能な資源循環型社会の実現を加速させるものです。フライアッシュやキトサンといった副産物や天然高分子を有効活用し、環境負荷の低い高機能材料を創出する本アプローチは、道路インフラの持続可能性向上に大きく貢献することが期待されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Promoting circularity in cenosphere geopolymer binders through waste spent garnet

建設産業は、その膨大な天然資源の消費と廃棄物排出が環境に与える負荷から、持続可能な材料への転換が急務となっています。特に、ポルトランドセメント製造に伴うCO2排出量削減と天然骨材の消費抑制は喫緊の課題であり、環境負荷の低い代替材料の開発が世界中で進められています。こうした状況下で、セメントに代わる低炭素型バインダーとしてジオポリマーが注目される一方、天然骨材の代替として産業副産物の有効活用が模索されてきました。本研究が着目したのは、船舶の研磨ブラスト工程で大量に排出される廃ガーネット(WSG: Waste Spent Garnet)です。これまで廃棄物として処理されてきたWSGをジオポリマーモルタルの骨材として再利用することで、資源の循環(サーキュラリティ)を促進し、持続可能な建設材料開発への貢献が期待されています。

本研究は、セノスフィアと高炉スラグを基盤とするジオポリマーモルタルにおいて、天然の河川砂をWSGで置換する効果を詳細に検証しました。WSGの置換率を25%と50%に設定し、モルタルのフレッシュ特性、機械的強度、微細構造、耐久性について多角的に評価しました。その結果、WSGを25%の比率で置換したモルタルが、最適な粒子充填とマトリックスの緻密化を実現し、強度と耐久性の両面で顕著な向上を示すことが明らかになりました。具体的には、耐酸性が向上し、乾燥収縮抵抗性が低減、さらに750℃という高温下での耐性も改善されるなど、多岐にわたる性能改善が確認されています。この知見は、産業廃棄物であるWSGが、適切な配合によってジオポリマーモルタルの性能を向上させる高性能骨材として機能し得るという、新たな循環型建設材料開発の可能性を示唆します。

さらに、WSGの置換率を50%まで高めた場合でも、アルカリ骨材反応(ASR)による膨張を大幅に低減し、熱安定性を向上させる効果が確認されました。一部の耐久性ではわずかな低下が見られたものの、全体としての性能は天然砂のみを使用した対照モルタルに匹敵するレベルを維持しており、天然骨材の相当部分をWSGで代替しても実用上問題ない性能が得られることを示しています。本研究の成果は、これまで廃棄物であったWSGを価値ある建設材料へと転換することで、天然資源消費の抑制と廃棄物削減に貢献し、建設産業における循環経済の実現に向けた具体的な道筋を提示しました。この技術は、持続可能な社会構築に不可欠な環境配慮型建設材料の普及を加速させ、資源の有効活用を通じた新たな価値創造に繋がるものとして、その実用化が大いに期待されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Experimental study on confinement-dependent mechanical behavior and failure criteria of high-strength geopolymer concrete

近年、持続可能性への要求が高まる中、従来のセメント(OPC)に代わる新しい建設材料として、高強度ジオポリマーコンクリート(HSGC)が注目を集めています。HSGCは優れた工学的性能を持つ一方で、実際の構造物で遭遇する多軸応力状態、特に側方からの拘束圧下における機械的挙動や破壊メカニズムについては、これまで十分に解明されていませんでした。これは、橋梁や高層建築の基礎、地下構造物といった、拘束圧を考慮した設計が必要な重要構造物へのHSGC適用における課題でした。

このような背景を受け、最新の研究では、高強度ジオポリマーコンクリートの拘束圧下における機械的挙動と破壊基準について、体系的な実験研究が行われました。本研究では、HSGCに対し0から40 MPaという幅広い範囲の拘束圧をかけながら三軸圧縮試験を実施し、多様な拘束圧条件下での応力-ひずみ関係と破壊特性を詳細に調査しました。その結果、拘束圧がHSGCの破壊特性に極めて大きな影響を与えることが明らかになりました。具体的には、拘束圧の増加に伴い、材料のピーク強度、ピークひずみ、残留強度、および残留ひずみが一様に増大することが確認され、初期剛性を示すセカント弾性係数も著しく向上しました。これらの変化は破壊モードの関連性を示唆しています。これらの詳細な実験データに基づき、HSGCの応力-ひずみ構成モデルが新たに導出されるとともに、Mohr-Coulombの線形破壊基準、改良Mohr-Coulomb破壊基準、William-Warnke五パラメータ破壊基準、八面体せん断応力破壊基準といった複数の破壊基準が提案されました。これらのモデルと基準は、多軸応力状態下におけるHSGCの複雑な三軸圧縮破壊特性を効果的に予測できることが示されています。

今回確立された応力-ひずみ構成モデルと複数の破壊基準は、高強度ジオポリマーコンクリートを用いた構造物の設計や安全評価において、その信頼性と精度を高めます。これにより、重要構造部材の設計における強度評価や変形予測の精度が向上します。本研究の成果は、持続可能な建設材料としてのHSGCの適用範囲を大きく広げ、その実用化を加速させることで、環境負荷の少ない次世代インフラ構築に貢献すると期待されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)