AIニュース|2025-11-21 Alkali-activated materials の新着まとめ

Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials を中心に、キーワード「Alkali-activated materials」に関連する新着論文 3 本の要点をまとめました。


Shear-torsion interaction in FRP-strengthened RC members: Modeling, failure modes, and experimental correlation

橋梁の主桁やフランジ付き梁、偏心荷重を受ける要素など、鉄筋コンクリート(RC)部材の設計において、せん断力とねじりモーメントの相互作用は、その構造挙動を決定する上で極めて一般的かつ重要な荷重組み合わせである。RC部材の補強に関する既存研究は個別の荷重条件に焦点を当ててきたが、実際の構造物では複数の荷重が同時に作用する。実験により、せん断力の作用がRC部材のねじり強度を著しく低下させることが示され、この複合的な相互作用の重要性が指摘されてきた。しかし、近年広く用いられるようになった繊維強化プラスチック(FRP)シートで補強されたRC部材において、せん断-ねじり相互作用を定量的に予測できる既存モデルは不足しており、設計上の課題であった。

こうした背景を受け、本研究は、FRPシートで補強されたRC部材のせん断-ねじり相互作用を精度よく予測する非線形解析モデルを提案することを目的としている。研究チームは、FRP補強されたRC部材にせん断力とねじりモーメントが同時に作用する状況を想定し、平衡方程式、材料の構成則、適合条件という三つの分類の関係式を導出した。これらを統合することで、16の非線形方程式からなる支配的な定式化を構築した。この非線形システムを解くことで、終局荷重段階におけるコンクリート、補強鋼材、FRP補強材の応力とひずみという、16の主要な未知数を特定することが可能となった。提案モデルの妥当性を検証するため、実験データとモデル予測値との比較が行われ、このモデルがデータベースにおけるRC部材の耐荷力を平均値1.15、変動係数27%という高い精度で推定できることが実証された。

今回提案された非線形解析モデルは、FRPで補強されたRC部材のせん断-ねじり相互作用という複雑な現象を、定量的に、かつ高精度で評価できる点で画期的な成果である。これは、経験的なアプローチや個別の荷重条件に基づく設計が中心であった分野に、より科学的かつ合理的な設計手法を提供する。これにより、橋梁などの重要な構造物において、FRP補強を用いたRC部材の安全性と信頼性を大幅に向上させることが期待される。本モデルは、部材の最適な補強設計を可能にし、建設コスト削減や環境負荷低減にも貢献する。今後、本モデルが設計基準やガイドラインに取り入れられ、実際の構造設計に広く活用されることで、社会インフラの強靭化と長寿命化に大きく寄与することが見込まれる。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Thermal damage mechanism of high geothermal tunnel lining concrete considering temperature gradient effects

近年のインフラ整備において、高温の地熱帯を貫通するトンネル建設は増加の一途を辿っています。しかし、こうした高地熱トンネルでは、岩盤からの強力かつ一方的な加熱により、コンクリート覆工が極めて複雑な温度・湿度勾配にさらされます。この過酷な環境がコンクリートの品質と長期的な耐久性に深刻な影響を及ぼすことは長らく認識されていましたが、特にコンクリートの打設直後から硬化に至るまでの全段階における熱損傷のメカニズムは、正確に解明されていませんでした。従来の実験手法では、実際のトンネル環境下で生じる微妙かつ連続的な勾配を精密に再現することが困難であり、そのため、高温環境下でのコンクリートの劣化過程やその対策に関する決定的な知見は不足していました。

こうした背景のもと、最新の研究では、この課題に挑むべく「MUGTCS(Multi-directional Unidirectional Gradient Temperature Curing System)」と名付けられた画期的な新型実験システムが開発されました。このシステムを用いることで、コンクリート打設直後から硬化完了に至るまでの全プロセスにおいて、高地熱トンネル特有の温度・湿度勾配を極めて正確に再現することが可能になりました。研究チームは、このシステムを用いて、様々な温度勾配条件下でのコンクリートの水和挙動、微細構造変化、そして機械的特性に対する時空間的な熱損傷効果を詳細に分析しました。その結果、覆工の厚さ方向で著しい不均一な損傷が生じることが明確になり、特に70〜80°Cという特定の温度範囲が高湿度環境下で初期強度発現に最適であるという興味深い現象も発見されました。さらにメカニズム解析を通じて、不均一な水和動力学、熱膨張の差異、そして細孔構造の変化や界面遷移帯(ITZ)の弱体化を含む微細構造の劣化が複合的に作用し、コンクリートの機械的特性を低下させる主因であることが突き止められました。

これらの詳細な知見は、高地熱トンネルにおけるコンクリート覆工の長期的な健全性確保にとって極めて重要な意味を持ちます。特に、初期成形段階からの連続的な勾配養生がコンクリートの性能に与える影響の大きさを浮き彫りにした点は、これまでの常識を覆すものです。本研究の成果は、過酷な高地熱環境に適したコンクリートの配合設計や、現場での実用的な養生戦略を最適化するための決定的な指針を提供します。これにより、地熱トンネルを含む高温環境下で建設されるインフラ構造物の安全性と持続可能性を飛躍的に向上させることが期待され、今後のインフラ技術開発に大きな貢献をもたらすでしょう。この研究は、2025年11月に専門誌「Journal of Construction and Building Materials」に掲載予定です。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Grey relational analysis of pore structure-mechanical property relationships in concrete under low-temperature and low-humidity curing

コンクリートは現代社会の基盤を支える重要な建設材料であり、その硬化過程における温度と湿度は、セメントの水和反応、細孔構造、ひいては機械的特性に決定的な影響を及ぼします。特に寒冷かつ乾燥した地域においては、低温度と低湿度が複合的に作用する厳しい環境下でのコンクリートの性能劣化が懸念され、水理構造物などの長期耐久性確保に向けた材料特性の理解と性能予測モデルの確立が喫緊の課題でした。既存の研究では環境要因の影響は認識されていたものの、微視的な細孔構造の変化と巨視的な強度発現の関係、およびその定量的な予測モデルの構築は未解決の課題でした。

本研究は、このような背景のもと、低温・低湿度硬化条件下におけるコンクリートの強度発現と細孔特性の関連性を詳細に調査し、メカニズムに基づいた予測モデルの構築を試みました。具体的には、3°C・相対湿度50%、10°C・相対湿度70%、20°C・相対湿度95%という3つの代表的な硬化条件を設定し、圧縮強度、引張強度、細孔構造の進化を追跡しました。核磁気共鳴(NMR)や走査型電子顕微鏡(SEM)といった分析技術を駆使し、細孔分布、細孔径の変化、微細構造形態を詳細に観察しました。これらのデータに基づき、グレイ関連分析(Grey Relational Analysis)を適用して、強度に影響を及ぼす主要な細孔パラメータを定量的に特定しました。結果として、低温・低湿環境はセメント水和を顕著に阻害し、総空隙率の増加、マクロポアや微細亀裂の割合の上昇を招き、圧縮強度と引張強度の両方を低下させることが判明しました。グレイ関連分析からは、「小中細孔の割合」と「総空隙率」が強度発現に決定的な影響を与える主要因子であることが突き止められました。

さらに、特定されたこれらの重要細孔パラメータに基づき、圧縮強度および引張強度のGM(1,3)予測モデルを確立しました。このモデルは、圧縮強度で平均相対誤差5.87%、引張強度で平均相対誤差5.71%と高い精度で強度を予測できることを示しました。これは微視的な細孔構造と巨視的な機械的強度特性の間の関係性を定量的に結びつける画期的な成果です。本研究で確立された理論的基盤と予測モデルは、寒冷・乾燥地域における水理コンクリート構造物の耐久性設計や維持管理に極めて重要な情報を提供します。これにより、過酷な環境下でのコンクリート構造物の安全性と信頼性向上に貢献し、将来的な材料開発や構造物設計の最適化に資する重要な一歩となるでしょう。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)