AIニュース|2025-12-01 Geopolymer の新着まとめ

Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials を中心に、キーワード「Geopolymer」に関連する新着論文 2 本の要点をまとめました。


Multi-objective optimization of recycled fine aggregate geopolymer-based grouting materials using the response surface methodology and backpropagation neural network coupled approach

従来のセメント系注入材は、特殊な地質条件下、特に地下水流動下での使用において、凝結時間の延長やスラリー漏出といった問題に直面し、充填性能不足、初期強度低下、地盤沈下を引き起こすことが頻繁にあった。加えて、細骨材として河川砂に大きく依存する現状は、持続可能性と資源枯渇の観点から深刻な懸念材料である。こうした背景から、環境負荷を低減しつつ高性能を両立する新たな注入材の開発は、建設産業の喫緊の課題であり、特に産業廃棄物や建設副産物の活用が期待されている。

本研究は、この課題に対し、従来のセメントを産業廃棄物由来のジオポリマー前駆体(フライアッシュFA、高炉スラグGGBS、メタカオリンMK)で完全に代替し、細骨材の一部を建設廃棄物由来の再生細骨材(RFA)に置き換える革新的なアプローチを採用。資源有効活用、環境負荷低減、注入材性能向上を同時に目指した。材料配合の最適化にあたっては、まず反応表面法(RSM)とBox–Behnkenデザイン(BBD)を組み合わせ、メタカオリン、再生細骨材、高炉スラグがスラリー特性に与える相乗効果を系統的に分析した。さらに、スラリー性能の予測精度と多目的配合最適化の効率化のため、遺伝的アルゴリズム(GA)で最適化されたバックプロパゲーションニューラルネットワーク(BP-GA)を導入。RSM-BBDとBP-GAを複合したこのデータ駆動型アプローチは、複雑な材料設計における試行錯誤を大幅に削減し、特定の条件下で最高の性能を発揮する配合を高精度に導き出す強力なツールとなった。

これらの高度な最適化手法の結果、本研究は、MK=16.94 wt%, RFA=25 wt%, GGBS=26.63 wt%と、MK=16.15 wt%, RFA=38.98 wt%, GGBS=22.72 wt%という2種類の最適なジオポリマー-RFAグラウト配合を導き出した。最適化されたグラウトは、優れた安定性、高い充填効率、および顕著な機械的強度を兼ね備え、従来のセメント系材料では困難だった複雑な地質環境下での建設要件を効果的に満たした。本研究は、産業副産物や建設廃棄物を高付加価値な建設材料へと転換する具体例を示し、資源循環型社会の実現に大きく貢献する。特殊な地質条件下での地盤工学分野において、環境負荷を低減しつつ性能を向上させる持続可能な実践を促進する画期的な解決策を提示するものであり、次世代の建設技術開発へ貢献する一歩となることが期待される。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Sustainable geopolymer composites from fly ash, rubber sludge, and rice husk: A comparative study on resistance to organic and inorganic acids

現代社会において、排水処理施設や産業用貯蔵システムなど、酸性環境に曝される建設材料の耐久性確保は極めて重要な課題です。こうした要求に対し、従来のセメント材料に代わる環境負荷の低い選択肢として、廃棄物を原料とするジオポリマーが注目されています。特に、産業廃棄物のフライアッシュやゴムスラッジ、農業廃棄物のもみ殻といった未利用資源を建設材料として活用することは、持続可能な社会実現に向けた資源循環の観点から喫緊の課題です。本研究は、これらの廃棄物をジオポリマーの原料として活用し、その酸抵抗性を詳細に評価することで、環境負荷低減と耐久性向上の両立を目指しました。

本研究では、廃棄物由来のフライアッシュを基盤に、ゴムスラッジ(活性汚泥スラッジ、凝集スラッジ)および未処理のもみ殻を組み合わせたハイブリッドジオポリマー複合材料を開発しました。具体的には、フライアッシュ単独のジオポリマー(FAG)、フライアッシュと凝集スラッジ、もみ殻を配合したジオポリマー(CSRH)、そしてフライアッシュと活性汚泥スラッジ、もみ殻を配合したジオポリマー(ASRH)の3種類を調製。これらの試料を5%の酢酸(有機酸)と5%の硝酸(無機酸)溶液にそれぞれ30日間および90日間浸漬させ、質量損失、圧縮強度、多孔性、元素溶出などを用いて耐久性を比較評価しました。その結果、FAGが両酸溶液中で最も優れた耐久性を示し、特に硝酸溶液に90日間浸漬した後でも34 MPa以上の高い圧縮強度と極めて低い質量損失を維持しました。一方、ASRHは最も深刻な劣化を被り、圧縮強度が大幅に低下し、多孔性も著しく増加しました。CSRHは中間的な抵抗性を示し、初期には緩衝効果が見られたものの、時間の経過とともにカルシウム溶出と多孔性の増加が進行しました。また、酸の種類によって劣化メカニズムに明確な違いがあることも判明し、硝酸は完全な解離と急速な脱重合により、酢酸よりも攻撃的な劣化を引き起こす一方、酢酸は表面に限定された緩やかな攻撃を誘発することが示されました。この有機酸と無機酸の直接的な比較は、ジオポリマーの劣化メカニズムに関する新たな知見を提供しました。

本研究の成果は、ゴムスラッジやもみ殻といった多様な廃棄物を、酸性環境下でも優れた耐久性を持つジオポリマー複合材料へと高付加価値化できる可能性を実証するものです。この技術は、未利用資源の有効活用を促進し、廃棄物の削減、ひいては資源循環型社会の実現に大きく貢献することが期待されます。さらに、有機酸と無機酸に対するジオポリマーの劣化メカニズムを詳細に解明したことは、過酷な酸性環境で使用される持続可能な建設材料の設計において、非常に重要な指針となります。これにより、将来的に、環境負荷を低減しつつ社会インフラの耐久性を向上させる高性能な建設材料の開発が加速されることでしょう。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)