AIニュース|2025-12-10 Geopolymer の新着まとめ

Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials を中心に、キーワード「Geopolymer」に関連する新着論文 2 本の要点をまとめました。


Research on bond behavior between steel rebar and self-compacting geopolymer concrete (SCGC) containing recycled aggregate by large-scale beams: The role of different hybrid activator content and precursor materials

現代社会において、従来のコンクリート製造に伴う大量の二酸化炭素排出は、地球環境にとって大きな課題です。この問題への対応として、産業副産物などを活用するジオポリマーコンクリートが、環境負荷の低い次世代材料として注目されています。特に、廃棄物である再生骨材を100%使用した自己充填ジオポリマーコンクリート(SCGC)は、資源循環を促進し、より高い環境性能が期待されています。しかし、この革新的な材料を実際の建設に適用するためには、鉄筋との良好な付着性能が不可欠であるものの、これまで大規模な試験体を用いた詳細な研究は不足しており、実用化に向けた具体的な知見が求められていました。SCGCの性能を左右する活性剤の種類や量、さらには前駆体材料の組み合わせが付着挙動に与える影響は未解明な点が多かったのです。

本研究は、この課題に対し、文献上初めて大規模なRC梁を用いて、再生骨材を100%含有するSCGCと鉄筋の付着挙動を実験的に評価しました。研究では、ハイブリッド活性剤の比率や前駆体材料の組み合わせがSCGCの構造性能と鉄筋付着挙動に与える影響を詳細に分析しました。具体的には、寸法200×300×2000mmのフルスケールSCGC梁を合計12体製作し、異なるハイブリッド活性剤比率や前駆体材料の組み合わせで90日間養生後に四点曲げ試験を実施。ひび割れパターンとその伝播、破壊モード、荷重-中央変位曲線、荷重-ひずみ挙動、そして付着強度を詳細に評価しました。その結果、ハイブリッド活性剤比率と前駆体材料の組み合わせの両方がSCGC梁の付着挙動に顕著な影響を及ぼすことが判明しました。特に、シリカフューム(SF)と高炉スラグ(BS)を組み合わせた二元ブレンドが、ひび割れ制御の改善、耐荷力の向上、より高い付着強度といった優れた構造性能を一貫して示しました。中でも、特定の活性剤比率と前駆体材料の配合を用いた試験体は、最高のピーク荷重96.58 kNと最大付着強度4.31 MPaを記録しています。一方で、既存の力学ベースの付着強度予測モデルは、SCGCに対して中程度の精度を示すものの、ジオポリマーシステムに固有の複雑な相互作用メカニズムを十分に捉えきれていないことも明らかになりました。

本研究の成果は、再生骨材を100%含む自己充填ジオポリマーコンクリートにおいて、信頼性の高い鉄筋付着性能を確保するためには、ハイブリッド活性剤の配合量と前駆体材料の相乗効果の両方を綿密に最適化する必要があることを明確に示しました。これらの詳細な知見は、環境負荷低減と高性能化を両立する次世代コンクリート技術の開発と実用化に向けた大きな一歩となります。本研究で得られた成果は、実世界の建設用途において、環境に優しく、耐久性があり、構造的に効率的なSCGC部材の実装を目指す構造技術者や研究者にとって、極めて貴重な設計指針と評価ツールを提供するものと期待されます。持続可能な社会の実現に貢献する建設産業の変革を加速させる上で、本成果は重要な役割を果たすでしょう。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Recycled concrete aggregates in geopolymer mortars: Performance and environmental assessment

現代社会において、建設産業は持続可能性への大きな課題に直面しています。最も広く使用されるポルトランドセメントの製造は、大量の二酸化炭素排出を伴い、地球温暖化の主要因の一つです。この環境負荷を低減するため、セメントに代わる持続可能な結合材の開発が急務となっています。そうした中で、産業副産物を活用し、低炭素で環境に優しい結合材として「地ポリマー」が注目されています。さらに、天然資源の枯渇や建設廃棄物の増加に対応するため、既存のコンクリート構造物から回収される「再生コンクリート骨材(RCA)」の再利用もまた重要です。

このような背景のもと、本研究は、地ポリマーモルタルに再生コンクリート骨材(RCA)を部分的に組み込むことで、天然砂の代替としての実現可能性、およびその性能と環境影響を包括的に評価しました。研究では、結合材としてフライアッシュとスラグという主要な産業副産物を採用し、これらを水酸化ナトリウムとメタケイ酸ナトリウムで活性化させ、地ポリマーモルタルを製造。RCAは天然砂に対し10%から50%の範囲で代替され、これら混合物の物性、機械的強度、高温特性、微細構造、さらには製造から工場出荷までのライフサイクルアセスメント(LCA)が検証されました。得られた結果は、RCAの配合がモルタルの単位重量に与える影響はごく軽微であることを示しました。機械的性能に関しては、フライアッシュベースの配合では中程度のRCA代替で強度が向上しましたが、高代替レベルでは効果は限定的でした。スラグベースのシステムでは、特定の養生条件下でRCAが強度に肯定的な寄与が見られました。高温特性では、フライアッシュモルタルが900℃で部分的な強度回復を示す優れた熱安定性を示した一方、スラグモルタルでは継続的な強度低下が観察されました。

環境負荷の評価においては、RCAを使用する地ポリマーモルタルが、従来のポルトランドセメントモルタルと比較して全体的な環境負荷を低減する可能性がライフサイクルアセスメントによって示されました。ただし、アルカリ活性剤の製造に伴う環境負荷は依然として大きな課題として残ることも指摘されています。本研究は、再生コンクリート骨材を地ポリマーモルタルに統合することで、持続可能な建設材料の実現に貢献できることを示唆しています。そのためには、適切なRCAの代替比率と、結合材の種類に応じた最適な養生条件を確立することが極めて重要です。本成果は、建設産業の脱炭素化と資源循環への貢献が期待されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)