AIニュース|2026-01-01 Alkali-activated materials の新着まとめ

Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials を中心に、キーワード「Alkali-activated materials」に関連する新着論文 3 本の要点をまとめました。


Preparation and performance evaluation of asphalt modifier from catalytic pyrolysis of waste plastics using Ni modified HZSM-5

廃プラスチックの増加は深刻な環境問題であり、その効果的な処理と資源化が喫緊の課題となっています。中でも、廃プラスチックをアスファルト改質材として活用する技術は、アスファルト舗装の性能向上に貢献し、建設資材としての資源有効利用を促進する有望なアプローチとして注目されています。本研究は、この課題に対し、ポリプロピレン(PP)とポリスチレン(PS)を原料とし、Ni修飾HZSM-5触媒を用いた接触熱分解によって、高機能なアスファルト改質材を開発することを目的としました。プラスチックの混合比や触媒の性能が生成物の組成に与える影響を詳細に分析し、得られた重油がアスファルトの性能に及ぼす影響を定量的に評価しました。

具体的な研究では、PPとPSの共熱分解における相乗効果を探るため、様々な混合比で実験が行われました。その結果、PPとPSの混合比が1:3のときに最も高い変換効率が確認され、液体収率は74.26%に達しました。さらに、熱分解プロセスにおいて、Ni修飾HZSM-5触媒が生成物の組成に顕著な影響を与えることが明らかになりました。この触媒は、重油中の芳香族炭化水素の生成を効果的に促進する一方で、フェノール類、酸、有機ケイ素化合物などの非炭化水素系副生成物の生成を抑制する働きを示しました。触媒中の最適なNi担持量は10重量%であることが特定され、この条件では重油中の芳香族炭化水素含有量が81.36%に最大化されました。特筆すべきは、この芳香族炭化水素の約90.6%が多環芳香族炭化水素(PAHs)であったことで、これによりアスファルト改質に最適な重油成分の調整が実現されました。

得られた最適な重油を用いて改質アスファルトを調製し、その性能評価を行ったところ、重油の添加がアスファルトの高温安定性と耐老化性を著しく向上させることが実証されました。特に、重油を6重量%添加したアスファルトは、軟化点が10.3°C上昇し、高温下での変形抵抗が大幅に強化されました。ただし、その一方で低温でのひび割れ抵抗性はやや低下する傾向も見られました。本研究の成果は、燃焼処理が困難な廃プラスチック由来の重油を、高機能なアスファルト改質材へと転換する新たな道を開くものです。これにより、廃プラスチックの資源化を促進し、アスファルト舗装分野における高付加価値応用に対する理論的な裏付けと技術的な指針を提供し、持続可能な社会の実現に大きく貢献することが期待されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Preparation and corrosion inhibition performance of controlled-release ethyl cellulose@D-sodium gluconate microcapsules in simulated concrete pore solution

社会インフラを支える鉄筋コンクリート構造物の耐久性は、塩化物イオンなどによる鉄筋の腐食が主要な課題となっています。この腐食は構造物の性能低下や早期劣化を招き、維持管理コストの増大に繋がります。これまでも腐食抑制剤を直接コンクリートに添加する手法が広く用いられてきましたが、この方法には抑制剤が短期間で消費されてしまう「早期枯渇」という問題や、腐食環境の変化に応じて放出を制御できないという限界がありました。これらの課題は、構造物の長期的な安全性を確保し、ライフサイクルコストを低減する上で、克服すべき重要な点として認識されています。

このような課題を解決するため、本研究では、塩化物イオン誘発の鉄筋腐食を長期的に抑制する、新しいタイプのカプセル型腐食抑制剤が開発されました。この抑制剤は、高い耐アルカリ性と制御放出能力を持つエチルセルロースを殻材、D-グルコン酸ナトリウムを核材として、相分離法により作製されたマイクロカプセルです。熱重量分析や顕微鏡観察により、作製されたカプセルは「エンドウ豆の莢」のような特徴的な形状を持ち、緻密な核/殻構造を有していることが確認されました。特に、核と殻の比率が1:5の場合に最大73.3%の高い封入効率を達成。このカプセルは、模擬コンクリート細孔溶液中でD-グルコン酸ナトリウムを数日間にわたり持続的に放出する特性を示しました。電気化学的試験では、このカプセル型抑制剤が鉄筋の腐食を効果的に抑制し、耐食性を顕著に向上させることが実証され、0.05%の添加量で7日後に90.7%の抑制効率を達成しました。核/殻比は放出速度と保護性能を左右する重要な因子であり、1:5の配合が最適な腐食抑制効果をもたらすことが示されています。

本研究で開発された持続放出型エチルセルロース@D-グルコン酸ナトリウムマイクロカプセルは、従来の課題を克服し、鉄筋コンクリート構造物における腐食対策に新たな道を開く画期的な成果です。そのインテリジェントな放出機能は、腐食抑制剤の利用効率を大幅に向上させ、長期的な保護効果を実現します。これは、コンクリート構造物の耐久性を飛躍的に高め、ひいては社会インフラの長寿命化に貢献するとともに、維持管理にかかるコストや労力の削減にも繋がるものです。本研究は、将来のスマートな腐食抑制剤の設計と応用に向けた有望な戦略を提示するものであり、持続可能な社会基盤の構築に不可欠な技術的進歩をもたらすものとして、その発展が大きく注目されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Mechanistic insights into lattice activation in improving high-temperature performance of alkali-activated fly ash geopolymers

近年、地球温暖化対策として、セメント産業における二酸化炭素排出量の削減が急務となっており、その解決策として産業副産物であるフライアッシュを原料とするアルカリ活性化フライアッシュジオポリマー(AAFA)が注目されています。AAFAは、製造時のCO2排出量が少ないという大きな利点を持つ一方で、高温環境下での性能維持が課題とされており、特に耐火性や耐熱性といった高温性能のさらなる向上が、その適用範囲を広げる上で不可欠とされていました。

こうした背景の中、本研究では、AAFAの高温性能を画期的に向上させる新たなアプローチとして、「格子活性化」法を開発し、そのメカニズムと効果を詳細に解明しました。この手法は、フライアッシュ中の主要な結晶性成分であるムライトや石英の結晶構造に直接作用し、これらを非晶質相へと効率的に変換することを可能にします。具体的には、ムライトの実に83%が活性化され、非晶質相へと変質することが明らかになりました。研究チームは、格子活性化プロセスにおける上澄み液と沈殿物の微細構造や形態、さらにAAFAスラリーが異なる温度に曝露された際のナノ構造、化学組成、細孔構造の変化を体系的に分析。その結果、従来の調製法と比較して、格子活性化法によって調製されたAAFAは、1000℃の高温に曝露された後の残存圧縮強度が飛躍的に向上し、驚くべきことに73.4%もの増加を達成し、43.7 MPaという高い強度を維持できることを示しました。また、格子活性化中のムライトの活性化メカニズムや、重合プロセスにおける上澄み液と沈殿物の具体的な役割も深く掘り下げて解明されています。

これらの画期的な知見は、格子活性化法がフライアッシュ中の結晶相と非晶質相の両方を効果的に活用し、ジオポリマーゲルの熱安定性を大幅に改善することで、AAFA全体の高温性能を劇的に最適化できることを明確に示しています。本研究は、熱的に耐久性がありながらも低炭素という特性を併せ持つ次世代セメント系材料の開発に新たな方向性を提供するものであり、アルカリ活性化材料の分野において、格子活性化が極めて革新的な戦略として大きな可能性を秘めていることを浮き彫りにしました。この技術の応用により、建築・土木分野における高温環境下でのインフラの耐久性向上や、さらなるCO2排出量削減に貢献することが期待されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)