AIニュース|2026-01-06 Alkali-activated materials の新着まとめ

Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials を中心に、キーワード「Alkali-activated materials」に関連する新着論文 3 本の要点をまとめました。


Performance, modification mechanism and cost-benefit analysis of SBS/terminal blended rubberized composite high viscosity modified asphalt

現在の道路舗装において、優れた耐わだち掘れ、耐疲労、耐ひび割れ性を有するスチレン・ブタジエン・スチレン(SBS)改質高粘度アスファルト(SBS-HVA)は広く採用されています。しかし、その製造が石油資源に大きく依存するため、持続可能性やコスト面で課題が指摘されており、環境負荷の低減と経済性の両立が求められていました。このような背景から、本研究では、性能、経済性、環境便益のバランスを目指し、SBSと廃ゴム由来のターミナルブレンドゴム化アスファルト(TB)を組み合わせた新規複合材料、STB-HVA(SBS/terminal blended rubberized composite high viscosity modified asphalt)を提案しました。この新しい複合体は、従来のSBS-HVAの課題を克服し、持続可能な舗装技術の実現を目指します。

研究チームは、STB-HVAの性能を詳細に評価するため、STB-HVAと既存のSBS-HVA、およびそれぞれの基材について、微細構造、工学的性能、レオロジー特性を包括的に解析しました。その結果、同等のSBS含有量で、STB-HVAが基本的な性能、施工性、貯蔵安定性、レオロジー特性において、従来のSBS-HVAを顕著に上回ることが明らかになりました。この性能向上は、三つの相乗的な改質メカニズムによるものです。具体的には、連続的なSBSネットワークが弾塑性を付与し、TB中の短鎖ゴム炭化水素が塑性を向上させ、さらにゴム炭化水素がSBSネットワークを強化し、架橋密度と構造の均質性を高めることで、弾塑性特性が向上します。

性能向上に加え、STB-HVAは経済的にも優れています。基材アスファルトとSBS改質材の両方の消費量を削減できるため、従来のSBS-HVAと比較して材料コストを約11%削減できることが示されました。これは高機能舗装材料の普及を促す上で重要です。STB-HVAは、高性能、費用対効果、環境配慮を兼ね備えた「グリーン」な技術です。石油資源依存を低減し、固形廃棄物である廃ゴムの有効活用を促すことで、高粘度改質アスファルトの分野に持続可能な道筋を提供し、将来のインフラ整備における重要な選択肢となるでしょう。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Experimental study on axial compression behavior of corroded RC columns repaired with CFRP jackets and textile-reinforced ECC

近年、世界中で社会インフラの老朽化が深刻な問題となっており、特に鉄筋コンクリート(RC)構造物における鉄筋腐食は、その耐力や耐久性を著しく低下させる主要因です。地震や風雨など外部からの影響を常に受ける構造物において、RC柱の健全性は極めて重要であり、腐食による性能低下は構造全体の安全性に直結します。このため、劣化したRC柱を効果的かつ長期的に補修する技術の開発は、持続可能な社会基盤の維持において喫緊の課題とされています。

このような背景のもと、本研究は腐食RC柱に対する効果的かつ高耐久な補修技術の確立を目指し、二種類の補修材に焦点を当てた実験的検証を行いました。一つは、軽量かつ高強度で既に補修材料として広く用いられている炭素繊維強化ポリマー(CFRP)です。そしてもう一つは、ひび割れ分散性に優れるエンジニアードセメンタイトコンポジット(ECC)に繊維を複合化した、繊維強化エンジニアードセメンタイトコンポジット(TRECC)という比較的新しい材料です。本研究では、合計24体の試験体を用いて軸圧縮試験を実施し、鉄筋の腐食レベル、帯筋の間隔、そして補修方法が腐食RC柱の軸圧縮挙動に与える影響を系統的に評価しました。特に、TRECCによる補修において、その閉じ込め効果と軸方向荷重分担効果というメカニズムを詳細に解明した点は、この材料の特性を理解する上で重要な新規性を示しています。

試験結果は、CFRPおよびTRECCを用いた補修が、腐食により低下したRC柱のピーク荷重を大幅に改善することを示しました。具体的には、CFRP補修では84.91%から157%の改善を、TRECC補修では36.91%から140.81%の改善が確認されました。興味深いことに、比較的低い腐食レベルではCFRPの方がTRECCよりも優れたピーク荷重の改善効果を示した一方、腐食レベルが高い場合には、両補修方法によるピーク荷重の改善効果は同程度となることが明らかになりました。この知見は、腐食の進行度合いに応じた最適な補修材料の選定において、実用上非常に重要な判断材料を提供します。

さらに本研究は、単なる実験結果の提示に留まらず、鉄筋腐食レベルを考慮したRC柱、腐食RC柱、CFRP補修腐食RC柱、そしてTRECC補修腐食RC柱、それぞれのピーク荷重計算モデルを新たに提案しました。これらの計算モデルは、実験データと既存の先行研究データを統合的に用いてその適用性と精度が検証され、十分に高い信頼性が確認されています。この成果は、老朽化が進む社会インフラの維持管理において、腐食RC柱の診断、補修設計、および性能評価の精度を飛躍的に向上させるものであり、より合理的で信頼性の高い補修戦略の策定を可能にします。これにより、構造物の安全性と持続可能性の確保に大きく寄与し、未来に向けた強靭な社会基盤構築への重要な一歩となることが期待されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Design of SiO2-modified PFPE-silane@EC microcapsules with dual hydrophobic barriers for cementitious materials

コンクリートなどのセメント系材料は、現代社会のインフラを支える基盤であり、その長期的な耐久性確保は極めて重要です。特に、水の浸入に起因する劣化は材料性能を著しく損なうため、疎水性(水をはじく性質)の付与が有効な対策として注目されてきました。しかし、従来の疎水剤をセメント材料全体に直接混ぜ込むバルク改質手法には、いくつかの深刻な課題が存在します。具体的には、材料の流動性や作業性が低下したり、セメントの水和反応を阻害したり、内部に不均一な微細構造を生じさせたりすることで、最終的にコンクリート本来の圧縮強度を大きく損なうというトレードオフが避けられませんでした。このため、材料の耐水性を向上させつつ、基本的な機械的特性を維持するという両立困難な課題が、長年の懸案事項となっていたのです。

本研究は、この課題を克服するため、二重の疎水性バリアを備えた新規な「SiO2改質パーフルオロポリエーテルシラン(PFPE-silane)@エチルセルロース(EC)マイクロカプセル」を開発しました。このマイクロカプセルは、セメントマトリックスの機械的特性を大幅に低下させることなく、外部からの刺激によって疎水剤が放出される「トリガー型」として、トリガー前後の両方で優れた疎水機能を提供することを特徴とします。最適な3%のSiO2で改質されたマイクロカプセルは、均一な形態、低減された表面多孔性、高いコア材料の封入性を実現し、優れた疎水性を発揮することが確認されました。これをセメント系材料に組み込んだ結果、疎水剤を直接添加した際に生じる圧縮強度の著しい低下(22.39%減)を、マイクロカプセル化によって7.20%の減少にまで大幅に抑制することに成功しました。さらに、このSiO2改質マイクロカプセルは、二重の疎水性バリア機能を発揮します。まず、セメント材料が健全な状態(トリガー前)では、マイクロカプセルは疎水性フィラーとして機能し、塩化物拡散係数をPFPE-シランのみで改質した試料と比較して24.36%低減させ、外部からの有害物質の侵入を強力に防ぎます。次に、材料にひび割れなどの損傷が生じてマイクロカプセルがトリガーされると、内部に封入されていた疎水性コア材料が放出されます。この放出された材料は、セメント材料中のCa2+イオンと反応し、沈殿物を形成して微細な亀裂を効果的に充填するとともに、亀裂表面に疎水性膜を形成することで、自己修復的な疎水性を発揮します。この機能により、PFPE-シランベースの試料と比較して耐久性修復率は24.95%向上し、透水係数は89.10%も削減され、最適な13.14 × 10−4 cm/hという非常に低い値に達しました。

本研究で開発されたSiO2改質マイクロカプセルは、セメント系材料の耐水性を飛躍的に向上させながら、その基本的な機械的強度を損なわないという、これまでのトレードオフを克服する画期的な解決策を提供するものです。この成果は、コンクリート構造物の長期的な耐久性確保、メンテナンスコストの削減に繋がり、持続可能な社会基盤の構築に大きく貢献すると期待されます。将来的に、本技術はより高性能で長寿命なインフラ材料の開発を加速させる可能性を秘めています。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)