AIニュース|2026-01-12 Alkali-activated materials の新着まとめ

Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials を中心に、キーワード「Alkali-activated materials」に関連する新着論文 3 本の要点をまとめました。


Investigating the compressive and corrosion resistance properties of ultra-high-performance fiber-reinforced concrete enhanced with layered double hydroxide nanoparticles

超高性能繊維補強コンクリート(UHPFRC)は、その卓越した強度と耐久性から、現代の建設分野で重要な材料として認識されています。しかし、構造物の長寿命化や維持管理コストの削減を目指す上で、材料のさらなる性能向上、特に耐久性の強化は喫緊の課題です。近年、生分解性層状複水酸化物(LDH)ナノ粒子がセメント系材料の改質材として期待されていますが、UHPFRCにおけるLDHナノ粒子の透水性や塩化物抵抗性への影響は、これまで体系的に調査されていませんでした。また、LDHナノ粒子とUHPFRCに不可欠なスチールマイクロファイバーが複合的に作用する際の、水分移動、塩化物浸入、そして機械的性能への影響メカニズムについても、理解が不足していました。本研究は、この研究ギャップを埋め、UHPFRCの耐久性と機械的性能を同時に向上させるための新たな材料設計指針を確立することを目的としています。

本研究は、LDHナノ粒子とスチールマイクロファイバーがUHPFRCの圧縮特性、透水性、塩化物抵抗性に及ぼす相乗効果を実験的に詳細に調査しました。LDHナノ粒子を0から2.5 wt%の範囲で配合し、0.2 wt%のスチールマイクロファイバーを一定量添加したUHPFRCについて、圧縮強度試験、毛管吸水試験、水銀圧入ポロシメトリー、迅速塩化物イオン浸透抵抗性試験といった包括的な評価を実施しました。その結果、LDHナノ粒子はセメントマトリックスの細孔構造を微細化し、水和反応の核形成を促進し、拡散経路を複雑化させることで、材料の緻密性を効果的に向上させることを明らかにしました。一方、スチールマイクロファイバーは、ひび割れの発生と進展を抑制し、物質移動の優先経路形成を防ぐ重要な役割を果たすことが確認されました。これらの相乗作用により、機械的性能と耐久性能の両面で顕著な向上が観察されました。具体的には、対照配合と比較して圧縮強度が22%向上し、2.0 wt%のLDHナノ粒子を添加することで、塩化物イオンの移動が約37%減少し、毛管吸水も大幅に抑制されることが示されました。本研究は、最適なLDH添加量が存在し、過剰な添加では効果が低下することも指摘しており、効率的な材料設計のための重要な知見を提供します。

本研究の成果は、UHPFRCの性能をさらに高め、コンクリート構造物の長寿命化と維持管理コストの削減に大きく貢献するものです。特に、塩害や凍結融解など、過酷な環境に曝される橋梁、港湾施設、高層建築物といった社会インフラにおいて、その高い耐久性と強度がより安全で経済的な社会基盤の構築に寄与します。最適なLDH配合量の特定は、資源の有効活用と環境負荷の低減にも繋がり、持続可能な社会の実現に貢献します。この研究は、将来の高性能コンクリート開発における新たな設計指針を提示し、革新的な建設材料の創出への道を開く重要な一歩となります。

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Study on the modification mechanism of recycled aggregate concrete with nano-silica and carbon fiber and small-sample regression prediction

近年、建設廃棄物の削減と資源の有効活用が喫緊の課題となる中、リサイクル骨材を用いたコンクリート(RAC)は、持続可能な建設社会の実現に向けた重要な材料として注目されています。しかし、リサイクル骨材はその製造過程で生じる残存モルタルや、内部の微細なひび割れ、空隙、そして界面遷移帯といった構造的な欠陥を抱えており、これが従来のコンクリートと比較して機械的特性の低下を招くという根本的な課題が存在します。そのため、RACの性能を飛躍的に向上させ、その普及を促進する技術開発が強く求められていました。

本研究は、このRACの性能課題に対し、ナノシリカ(NS)と炭素繊維(CF)を組み合わせた画期的な複合改質アプローチを提案し、その詳細なメカニズムと最適な配合条件を解明しました。研究では、リサイクル骨材の表面にナノシリカをスプレー塗布することで、その微細粒子が空隙を充填し、ポゾラン反応などを通じて微細構造を緻密化し、強度を高める効果を確認しました。しかし、ナノシリカの過剰な添加は骨材表面での凝集を引き起こし、界面接着力を損なう問題も浮上しました。そこで、コンクリート中に炭素繊維を適切に混入させることで、このナノシリカ凝集の悪影響を効果的に緩和するとともに、炭素繊維自体の補強効果により、機械的特性を相乗的に向上させることに成功しました。さらに本研究は、限られた実験データからでも高精度な材料性能予測を可能にするため、先進的な機械学習モデルを用いてデータを拡張し、細孔構造と機械的特性の関係を予測するモデルを構築しました。この予測モデルは、ナノシリカと炭素繊維の特定の配合で圧縮強度と割裂引張強度がそれぞれ最大値に達することを示し、圧縮強度でR²値0.881、割裂引張強度でR²値0.891という高い精度を達成しました。

本研究は、ナノシリカと炭素繊維によるリサイクル骨材コンクリートの改質メカニズムを深く理解し、その最適な配合比を定量的に特定することで、RACの高性能化に向けた堅固な理論的・技術的基盤を提供します。同時に、少サンプルデータに対しても高精度な材料性能予測を可能にする機械学習の可能性を実証し、建設材料科学分野におけるデータ駆動型アプローチの有効性を明確に示しました。これらの画期的な成果は、資源循環型社会の実現に向けたリサイクル骨材コンクリートの利用拡大に大きく貢献し、持続可能な建設産業の発展を力強く加速させるものとして、その社会的意義は極めて大きいと言えるでしょう。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)


Experimental study on dynamic mechanical properties and enhancement mechanisms of iron ore tailings foam concrete reinforced with different fiber types

鉄鉱石尾鉱は鉱業活動で大量に発生する産業廃棄物であり、その有効活用は環境負荷低減と資源循環の観点から喫緊の課題となっています。近年、軽量性や断熱性に優れる泡コンクリートへの尾鉱の利用が進められていますが、その力学特性、特に衝撃や爆発といった動的負荷に対する性能には改善の余地がありました。本研究は、この課題に対し、ポリプロピレン繊維(PF)、ガラス繊維(GF)、玄武岩繊維(BF)といった異なる種類の繊維を個別に添加した場合の鉄鉱石尾鉱泡コンクリート(ITFC)の動的力学特性とその強化メカニズムを詳細に解明することを目的としています。

研究チームは、走査型電子顕微鏡(SEM)、X線回折(XRD)、X線CTスキャン(X-CT)を用いてマトリックス構造と細孔構造を分析し、Split Hopkinson Pressure Bar(SHPB)試験によって材料の動的挙動を評価するという多角的なアプローチを採用しました。これらの系統的な評価を通じて、異なる種類の繊維がITFCのマトリックス特性、細孔構造、そして動的機械的挙動にどのように影響するかを明らかにしました。その結果、繊維の種類によって動的機械的特性に差異が生じる主要因として、(1) 繊維自体の固有の機械的特性、(2) 繊維添加がマトリックスの水和プロセスに与える影響、(3) 細孔構造への影響、という3つの重要な要素を特定しました。この多角的な視点からのメカニズム解明は、従来の経験的なアプローチを超え、材料設計の科学的基盤を提供する点で画期的です。

具体的な性能評価では、玄武岩繊維(BF)を単独で補強したITFC(CBF)が、BFの高い剛性という固有の特性を反映し、低ひずみ速度域で優れた機械的性能を示すことが判明しました。しかし、CBF内部に存在する極めて大きな細孔が、ひずみ速度感度を比較的低くする要因となっていることも明らかになりました。一方、ポリプロピレン繊維(PF)補強ITFC(CPF)とガラス繊維(GF)補強ITFC(CGF)は、初期強度は低い傾向を示しました。しかし、その中でもCGFは、繊維添加がもたらす低い空隙率と緻密なマトリックス構造によって、強度とエネルギー散逸密度の両方において最も高い動的強化係数(DIF)を達成しました。対照的に、CPFはPFの高い伸び特性を反映し、エネルギー散逸密度に関して高いひずみ速度感度を示すという特性が確認されました。

本研究の成果は、膨大な量の鉄鉱石尾鉱を付加価値の高い高性能建設材料へと転換する道筋を示すものであり、資源の有効活用と環境負荷低減という持続可能な社会の実現に大きく貢献します。特に、異なる繊維の種類が動的力学特性に及ぼす影響とそのメカニズムを解明したことは、耐衝撃性や耐爆性など、特定の厳しい動的負荷条件が求められるインフラ構造物や特殊建築物の設計において、最適な繊維の選択と配合に関する実践的な指針を与えます。これにより、より安全で耐久性の高いコンクリート構造物の開発が促進され、社会インフラのレジリエンス向上に寄与するものと期待されます。

出典: DOIリンク(Cement and Concrete Research,Cement and Concrete Composites,Construction and Building Materials)