修士と博士で違うアカリクの使い方|院生就活で研究内容をどう見せるか

アカリクは、修士・博士を含む大学院生や理系学生、ポスドクなどを対象にした就活サービスです。大学院生・理系学部生に加え、ポストドクター、博士中退・満期退学者、大学院修了済みの既卒者も登録することができます。

ただし、修士と博士ではアカリクの使い方がまったく同じではありません。

どちらも大切なのは「研究を企業に伝わる言葉へ翻訳すること」ですが、修士は成長可能性・基礎スキル・職種適性を見せることが重要で、博士は専門性・研究推進力・事業への転用可能性を見せることが重要になります。

つまり、博士だけが特別というより、同じ研究経験でも、企業に伝える“価値の翻訳方法”が違うということです。

アカリクそのものの全体像を先に知りたい場合は、理系を活かして就職するのにアカリクを使うのは本当にアリなのかもあわせて読むと理解しやすいです。

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修士と博士で何が違うのか

修士と博士のアカリク活用で大きく違うのは、プロフィールで伝えるべき主役です。

修士の場合は、研究テーマそのものよりも、研究を通じて身につけた基礎力が評価されやすいです。たとえば、実験計画を立てた経験、解析ツールを使った経験、課題に対して仮説を立てて検証した経験などです。

一方で博士の場合は、単に「研究をしていました」では弱くなります。博士は研究期間が長い分、企業側も「どれくらい自走できるのか」「専門性を事業課題に転用できるのか」「周囲を巻き込んで進められるのか」を見ています。

比較項目修士の見せ方博士の見せ方
研究内容何を学び、どんな手法を使ったか何を問い、どう研究を設計・推進したか
強調する力基礎スキル、吸収力、職種適性専門性、自走力、課題設定力
企業への伝え方配属後に伸びる人材として見せる事業課題を解ける人材として見せる
スカウト選び職種・育成環境との相性を重視裁量・専門性・事業接続を重視
注意点研究説明が浅くなりやすい専門的すぎて伝わりにくい

アカリクでは、プロフィールを充実させることで企業から検索されやすくなり、応募時のアピールやスカウトにつながりやすくなると説明されています。
だからこそ、修士も博士も「とりあえず研究テーマを書く」だけではもったいないです。


修士で見せるべき要素

修士がアカリクを使うときは、研究の深さだけで勝負しようとしすぎない方がいいです。

もちろん研究テーマは重要ですが、修士の場合、企業は博士ほど高度な専門性だけを期待しているわけではありません。むしろ、次のような要素を見ています。

  • 基礎的な研究スキルがあるか
  • 技術職・研究開発職に必要な素養があるか
  • 研究を通じて粘り強く考えられるか
  • 配属後に伸びそうか
  • チームや現場で再現性のある働き方ができそうか

修士のプロフィールでは、研究テーマの新規性を長く説明するよりも、自分が何を担当し、どんな手法を使い、何を考えて改善したのかを書いた方が伝わりやすいです。

たとえば、次のような書き方です。

セメント系材料の水和反応に関する研究に取り組み、実験条件の設計、試料作製、XRD・TG-DTAによる分析、結果の整理を担当しました。特に、測定結果のばらつきに対して条件を見直し、再現性を高める工夫を行いました。

この書き方では、研究テーマだけでなく「実験設計」「分析手法」「改善経験」「再現性への意識」が伝わります。

修士の場合、アカリクのプロフィールでは以下の4点を意識するとよいです。

1. 研究テーマよりも「自分の担当範囲」を明確にする

「〇〇の研究をしています」だけだと、企業側はあなたが何をできる人なのか判断しにくいです。

修士では、研究全体の壮大な意義よりも、まずは自分が手を動かした部分を具体的に書きましょう。

たとえば、以下のような情報です。

  • 実験計画を立てた
  • データ整理をした
  • 解析コードを書いた
  • 装置を使って測定した
  • 先行研究を調査した
  • 結果を発表資料にまとめた

これだけでも、企業側は職種との接点を見つけやすくなります。

2. 使えるツール・手法を具体名で書く

修士のアカリク活用では、スキル欄もかなり重要です。

「解析を行った」ではなく、「Pythonでデータ処理を行った」「SEM観察を行った」「XRDで相同定を行った」のように、手法やツール名を具体的に書くと検索されやすくなります。

企業は研究テーマだけでなく、手法・装置・ソフトウェア・解析経験から候補者を見ています。

3. 志望職種とのつながりを書く

修士の場合、研究テーマと企業の事業が完全一致していなくても問題ありません。

大事なのは、研究で得た経験をどの職種に活かしたいかです。

たとえば、材料系の研究なら「品質評価」「研究開発」「生産技術」「技術営業」などに接続できます。情報系なら「データ分析」「AI開発」「ソフトウェア開発」「システム開発」などに接続できます。

アカリクでは、研究内容をそのまま見せるだけでなく、どの仕事に転用できそうかまで書くと、スカウトの精度が上がりやすいです。

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博士で見せるべき要素

博士がアカリクを使う場合は、修士よりも「専門性の高さ」を見せる必要があります。

ただし、ここで注意したいのは、専門用語を並べればよいわけではないということです。

博士のアカリク活用で重要なのは、専門性を企業が判断できる形に翻訳することです。

博士は研究期間が長く、成果や論文、学会発表なども増えやすいです。その一方で、プロフィールが専門的になりすぎると、採用担当者や現場エンジニアに伝わりにくくなります。

博士が見せるべき要素は、主に次の5つです。

  • 課題設定力
  • 研究を自走して進めた経験
  • 専門知識の深さ
  • 周囲を巻き込む力
  • 事業・技術課題への転用可能性

博士向けのプロフィールでは、「この研究は学術的にすごいです」だけでなく、その研究を進める中で、どんな課題を見つけ、どう検証し、どんな価値に変えられるのかを示す必要があります。

たとえば、次のような書き方です。

博士課程では、〇〇材料の劣化メカニズム解明を目的に、実験設計から解析、論文執筆まで一貫して担当しました。限られたデータから仮説を立て、追加実験によって検証するプロセスを継続し、複数条件下での挙動を比較しました。この経験は、材料開発や品質評価における原因分析・評価設計に応用できると考えています。

この文章では、研究テーマだけでなく「仮説構築」「検証設計」「一貫した研究推進」「企業での応用」が伝わります。

博士のアカリク活用についてさらに言えば、研究内容を“専門性”と“ビジネス上の使い道”の両方で説明することが大事です。

博士は「新規性」だけでなく「再現性」を見せる

博士は、どうしても研究の新規性を語りたくなります。

もちろん新規性は重要ですが、企業が知りたいのはそれだけではありません。企業側は、あなたが入社後に再現性を持って課題を解けるかを見ています。

そのため、博士のプロフィールでは以下のような観点も入れましょう。

  • どのように研究計画を立てたか
  • どのように仮説を検証したか
  • 失敗したときに何を見直したか
  • 共同研究や後輩指導の経験があるか
  • 論文・学会発表でどのように成果を外部へ伝えたか

博士は「専門家」として見られる一方で、企業では専門外の人とも働きます。だからこそ、専門性を閉じた言葉で語るのではなく、他分野の人にも伝わる言葉にする力が評価されます。

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研究内容欄の差

修士と博士で、アカリクの研究内容欄に書くべき情報は少し変わります。

基本の型は同じです。

  1. 研究の目的
  2. 研究の背景
  3. 自分の担当範囲
  4. 使用した手法・ツール
  5. 得られた結果
  6. 企業で活かせる経験

ただし、修士と博士では強調する部分が違います。

修士の研究内容欄

修士は、以下のように「何を経験し、何ができるようになったか」を中心に書きましょう。

私は〇〇を目的として、△△に関する研究を行っています。研究では、□□を用いた測定・解析を担当し、得られたデータをもとに条件ごとの傾向を比較しています。研究を通じて、実験計画、データ整理、原因分析、発表資料作成の経験を積みました。今後は、研究開発職や技術職で、課題に対して仮説を立てて検証する力を活かしたいと考えています。

修士では、過度に背伸びする必要はありません。

むしろ、研究の中で何を担当したのか、どんな基本スキルがあるのかを丁寧に伝える方が効果的です。

博士の研究内容欄

博士は、以下のように「課題設定から成果創出までの一貫性」を見せましょう。

私は〇〇分野において、△△という課題の解明に取り組んでいます。研究では、先行研究の整理から仮説設定、実験・解析計画の立案、結果の考察、論文執筆までを一貫して担当しました。特に、複数の要因が絡む現象に対して、条件を切り分けながら検証する点に注力しました。この経験は、企業の研究開発や技術戦略における原因分析、評価設計、新規テーマ探索に活かせると考えています。

博士の場合、「詳しい研究説明」だけで終わると、企業側が活用イメージを持ちにくくなります。

最後に必ず、企業でどう使える経験なのかを書きましょう。

研究内容欄そのものの書き方を深掘りしたい場合は、アカリクプロフィールの書き方:研究内容をスカウトに変える魔法のテンプレートも参考になります。


スカウトの選び方

アカリクでは、企業から直接スカウトを受け取れる機能があり、企業は求人に合う人材を検索して候補者にメッセージを送る仕組みだと説明されています。

ただし、スカウトが来たからといって、すべてに返信する必要はありません。

修士と博士では、スカウトを見るときの判断軸も少し変わります。

修士のスカウト選び

修士は、次の条件を優先して見るとよいです。

  • 仕事内容が研究・開発・技術に近いか
  • 入社後に育成される環境があるか
  • 自分の手法・スキルが活かせそうか
  • 配属先のイメージが明確か
  • 研究テーマだけでなくポテンシャルも見てくれているか

修士の場合、最初から専門性が完全一致する会社だけを探すと、選択肢が狭くなりすぎます。

「研究テーマが同じか」よりも、研究で使った考え方や手法が活かせるかを見るのがおすすめです。

博士のスカウト選び

博士は、次の条件を重視した方がよいです。

  • 専門性をどう評価しているか
  • 裁量のあるポジションか
  • 研究開発・技術戦略・データ分析など職務内容が明確か
  • 博士人材への期待値が具体的か
  • 年齢・キャリア年数に見合う役割があるか

博士の場合、「博士歓迎」と書かれていても、実際の職務内容が修士・学部卒とほぼ同じこともあります。

そのため、スカウト返信時には、以下のような質問をしておくとミスマッチを減らせます。

ご連絡ありがとうございます。私の〇〇の研究経験が、貴社のどの業務領域と接続しそうかを詳しく伺いたいです。特に、入社後に担当するテーマ、研究開発と実装・事業化の関わり方、博士人材に期待される役割について確認できれば幸いです。

博士は、スカウトの数よりも中身の濃さを重視しましょう。

アカリクのメリット・デメリットやスカウトの選別軸を広く確認したい場合は、アカリクのメリット・デメリットを超深掘り:理系就活の「あらゆるケース」で損しない判断軸もあわせて読むと整理しやすいです。

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よくある失敗

失敗1:修士なのに研究の専門性だけで勝負しようとする

修士でありがちなのが、研究テーマを難しく説明しすぎることです。

専門性を見せようとするあまり、企業側に「結局、何ができる人なのか」が伝わらないケースがあります。

修士は、専門性そのものよりも、研究を通じて身につけた基礎力や伸びしろを見せることが大切です。

失敗2:博士なのに研究内容が専門的すぎる

博士でありがちなのは、プロフィールが論文要旨のようになってしまうことです。

研究者同士なら伝わる文章でも、採用担当者や事業部門の人には伝わらないことがあります。

博士は、専門用語を減らすというより、専門性を企業の課題に接続する一文を入れましょう。

失敗3:スカウトを全部同じ温度で扱う

スカウトは、すべてが本命候補とは限りません。

修士も博士も、最初に選別基準を決めておくべきです。

たとえば、以下の3つだけでも十分です。

  • 希望職種に近いか
  • 研究・スキルとの接点があるか
  • 勤務地や働き方が許容範囲か

この3つを満たさないスカウトは、無理に深追いしなくても大丈夫です。

失敗4:研究の機密情報を書きすぎる

共同研究、未発表データ、企業名、具体的な材料名、装置条件などは注意が必要です。

アカリクのプロフィールでは、具体的すぎる情報を書くよりも、課題設定・手法・検証プロセス・改善経験を一般化して書く方が安全です。

たとえば、「A社との共同研究で〇〇材料を〇℃で処理し、△△が改善した」と書くのではなく、「共同研究において、材料特性の改善を目的に処理条件を比較し、評価指標に基づいて最適化を行った」と書く方が無難です。


修士・博士別のアカリク活用チェックリスト

修士向けチェックリスト

  • 研究テーマを一文で説明できる
  • 自分の担当範囲を書いている
  • 使用した手法・ツール名を書いている
  • 研究で苦労した点と改善点を書いている
  • 希望職種とのつながりを書いている
  • スカウトの選別条件を3つ決めている

博士向けチェックリスト

  • 研究の課題設定を説明できる
  • 専門性を企業向けの言葉に翻訳している
  • 論文・学会発表・共同研究などの実績を整理している
  • 自走力や研究推進力が伝わる
  • 事業・技術課題への転用可能性を書いている
  • スカウト返信で役割や裁量を確認している

FAQ

修士と博士でアカリクのプロフィールは変えるべきですか?

変えるべきです。基本の型は同じですが、修士は「基礎スキル・担当範囲・成長可能性」、博士は「専門性・課題設定力・転用可能性」を強めに書くと伝わりやすくなります。

博士がアカリクを使うときに一番大事なことは何ですか?

一番大事なのは、研究を専門用語だけで語らないことです。博士の価値は、研究テーマそのものだけでなく、課題を見つけ、仮説を立て、検証し、成果に結びつける力にあります。企業側が使い道をイメージできるように書きましょう。

修士は研究成果が少なくてもアカリクを使えますか?

使えます。修士の場合、成果の大きさだけでなく、研究プロセスや使用した手法、自分の担当範囲が重要です。まだ成果が出ていない場合でも、仮説設定、実験計画、データ整理、解析、発表準備などを書けば十分にアピールできます。

スカウトが来ない場合はどうすればいいですか?

まずはプロフィールを見直しましょう。研究内容が抽象的すぎる、スキル名が書かれていない、自分の担当範囲が不明、希望職種が曖昧といった状態だと、企業側が判断しにくくなります。アカリク公式でも、プロフィールを充実させることで企業から検索されやすくなると説明されています。


まとめ:修士と博士の違いは「価値の翻訳方法」にある

修士と博士で、アカリクの使い方は変わります。

ただし、それは博士だけが特別という意味ではありません。

修士は、研究を通じて身につけた基礎力・手法・成長可能性を伝えることが大切です。博士は、研究で培った専門性・課題設定力・自走力・転用可能性を伝えることが大切です。

どちらにも共通するのは、研究内容をそのまま書くだけでは不十分だということです。

アカリクでスカウトの質を高めたいなら、研究を「企業が判断できる言葉」に変換しましょう。

修士なら、
何を担当し、どんなスキルを身につけ、どの職種で活かせるのか。

博士なら、
どんな課題を設定し、どう研究を進め、その力を企業課題にどう転用できるのか。

この違いを意識するだけで、アカリクのプロフィールはかなり伝わりやすくなります。

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