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学会要旨から研究概要書へ|アカリクでも使える就活用に書き換える手順

学会要旨やポスターを作ったことがある人なら、「これを就活の研究概要書に使えないかな」と考えることがあるはずです。

結論から言うと、学会要旨やポスターは研究概要書の材料としてかなり使えます。
ただし、そのまま貼り付けるのはおすすめしません。

学会要旨は「同じ分野の研究者に、限られた文字数で新規性や結果を伝える文章」です。
一方で、就活用の研究概要書は「専門外の採用担当者や技術系社員に、自分の研究内容・考え方・取り組み方を伝える文章」です。

つまり、必要なのはゼロから書くことではなく、読み手に合わせて書き換えることです。

この記事では、学会要旨・研究要旨・ポスター発表の内容を、就活用の研究概要書、ES、アカリクの研究内容欄に展開する手順を整理します。

すでに研究資料がある人は、この記事の順番に沿って書き換えるだけで、かなり早く就活用の文章に近づけられます。

学会要旨と就活用の研究概要書の違い

学会要旨と研究概要書は、どちらも研究を短く説明する文章です。
そのため似て見えますが、読み手と目的が違います。

項目学会要旨・研究要旨就活用の研究概要書
読み手同じ分野の研究者、学会参加者人事、技術系社員、面接官
目的研究の新規性・結果を伝える研究内容と自分の取り組み方を伝える
重視される点背景、手法、結果、考察の専門性課題設定、工夫、論理的な説明、再現性
用語専門用語を使っても通じやすい専門外にも伝わる補足が必要
自分の役割あまり書かないことも多い何を担当し、どう考えたかが重要

就活で見られるのは、研究テーマの珍しさだけではありません。
「課題をどう捉えたか」「どのように検証したか」「結果から何を考えたか」「その経験を仕事でどう活かせそうか」まで含めて見られます。

研究概要書そのものの基本構成を先に確認したい人は、理系就活の研究概要書の書き方を先に読むと、この記事の手順も使いやすくなります。

学会要旨をそのまま使うと伝わりにくい理由

学会要旨をそのまま研究概要書に貼ると、内容は正しくても就活では伝わりにくくなることがあります。

理由は主に3つあります。

専門用語が多く、読み手が途中で止まる

学会要旨では、専門用語を使うことで短く正確に書けます。
しかし、就活用の文章では、同じ言葉が読み手の理解を止める原因になります。

たとえば材料系・セメント系の研究なら、次のような表現です。

学会要旨でありがちな表現就活用の言い換え例
XRDにより相組成を評価したX線回折法を用いて、試料に含まれる結晶相を調べた
水和生成物の変化を検討したセメントが水と反応してできる生成物の変化を調べた
圧縮強度発現性を評価した材料がどの程度の強度を発揮するかを確認した
SEM観察を行った電子顕微鏡で微細な構造を観察した
反応率を定量したどの程度反応が進んだかを数値で評価した

専門用語を消す必要はありません。
ただし、最初に出すときは「何を調べる手法なのか」を一言添えると、専門外の人にも読みやすくなります。

結果は書いてあるが、自分の工夫が見えにくい

学会要旨では、研究結果を中心に書くことが多いです。
しかし、就活では「その結果を出すまでに、あなたが何を考えてどう動いたか」も見られます。

たとえば、次のような内容です。

学会要旨に書きにくい内容就活では書いた方がよい内容
実験条件を決めるまでの試行錯誤条件設定で何を比較し、どう判断したか
測定がうまくいかなかった経験原因をどう切り分けたか
データのばらつきばらつきをどう確認し、再現性をどう見たか
共同研究での担当範囲自分が担当した実験・解析・資料作成の範囲
今後の検討課題何が未解決で、次に何を検証する予定か

就活用の研究概要書では、研究成果だけでなく「研究を進める力」が伝わるように書く必要があります。

学会向けの背景説明は、就活では長すぎることがある

学会要旨では、研究分野の背景や先行研究との差分を書くことが多いです。
もちろん背景は必要ですが、就活用の研究概要書では背景を長くしすぎると、自分の取り組みが薄く見えます。

目安としては、300〜400字の研究内容なら背景は1〜2文で十分です。
A4 1枚の研究概要書でも、背景だけで全体の3分の1以上を使うと少し重くなります。

学会要旨から削る情報・残す情報

学会要旨を研究概要書に直すときは、いきなり文章を書き換えるよりも、まず「削る情報」と「残す情報」を分けると楽です。

削ってよい情報

就活用の文章では、次の情報は短くして構いません。

削る情報理由
先行研究の細かい引用専門外の読み手には差分が伝わりにくい
実験条件の細かすぎる数値研究の全体像より条件説明が目立つ
装置名・試薬名の羅列何をしたかより、単語の説明に見える
統計・解析手法の詳細必要な場合だけ、目的とセットで書けばよい
学会発表用の結論表現就活では自分の学びや工夫も必要

ただし、数値をすべて消す必要はありません。
比較結果や改善幅など、研究の具体性が伝わる数値は残した方が強いです。

たとえば、「強度が向上した」よりも「基準試料と比べて圧縮強度が約15%向上した」の方が、結果のイメージが伝わります。
ただし、未発表データや共同研究先に関わる数値は、公開してよい範囲か必ず確認してください。

残すべき情報

研究概要書に残したいのは、次の5つです。

残す情報書く内容
研究背景何が課題なのか
研究目的何を明らかにしたいのか
研究方法どのように検証したのか
結果・進捗何が分かったか、どこまで進んだか
自分の工夫条件設定、解析、改善、考察で何をしたか

特に就活用では、最後の「自分の工夫」が大事です。
学会要旨には入っていなくても、研究概要書では意識して足してください。

学会要旨から研究概要書へ書き換える5ステップ

ここからは、実際に学会要旨を就活用の研究概要書に直す手順を紹介します。

ステップ1:学会要旨を5つの要素に分ける

まず、手元の学会要旨を次の5つに分解します。

  1. 背景
  2. 目的
  3. 方法
  4. 結果
  5. 考察・今後の展望

学会要旨は文章が詰まっていることが多いので、文ごとに分けてメモにすると整理しやすいです。

たとえば、次のように分けます。

要素学会要旨から抜き出す内容
背景なぜその研究が必要なのか
目的何を明らかにする研究なのか
方法どんな試料・装置・解析で調べたのか
結果何が分かったのか
考察なぜそうなったと考えたのか、次に何をするのか

この段階では、文章のきれいさは気にしなくて大丈夫です。
まずは材料を取り出すことを優先します。

ステップ2:専門用語に一言説明を足す

次に、専門用語を「専門外の人が読んでも止まらない表現」に直します。

悪い例:

C-S-HのCa/Si比変化と圧縮強度発現性の関係を検討した。

改善例:

セメントの主要な水和生成物であるC-S-Hについて、化学組成の変化と材料強度の関係を調べた。

この改善例では、C-S-Hという専門用語は残しています。
ただし、「セメントの主要な水和生成物」と補足することで、専門外の読み手にも何の話か伝わりやすくしています。

全部をかみ砕きすぎると専門性が弱く見えることもあります。
おすすめは「専門用語+短い説明」の形です。

ステップ3:結果だけでなく、自分の動きを足す

学会要旨には、次のような文章がよくあります。

添加率の増加に伴い、初期強度が向上する傾向が確認された。

研究結果としては分かりますが、就活用の研究概要書では少し物足りません。
自分がどう考えたか、どう検証したかを足します。

改善例:

添加率を複数条件に分けて比較し、初期強度への影響を評価した。その結果、添加率の増加に伴い初期強度が向上する傾向を確認した。一方で、過剰添加では流動性が低下する可能性があったため、強度と施工性のバランスを考慮して最適条件を検討している。

このように書くと、単なる結果報告ではなく、条件比較・判断・次の検討まで見えます。

ステップ4:学会向けの結論を就活向けに直す

学会要旨の結論は、研究成果で終わることが多いです。
就活用では、最後に「この研究を通じて身につけた力」まで入れると使いやすくなります。

学会要旨の結論例:

以上より、混和材Aの添加により初期材齢における圧縮強度が向上する可能性が示された。

就活用の結論例:

本研究を通じて、材料条件を段階的に変えながら結果を比較し、強度発現に影響する要因を整理した。現在は、強度向上だけでなく流動性や再現性も含めて、実用上の条件を検討している。この経験から、複数の評価指標をもとに条件を見直す力を身につけた。

就活では、「研究結果」だけでなく「研究を通じて見える自分の強み」まで伝えると、面接でも話を広げやすくなります。

ESの研究内容欄にも展開したい場合は、理系学生・院生向けの研究内容をESに書くコツも合わせて確認しておくと、文字数に合わせた調整がしやすくなります。

ステップ5:300字・400字・A4 1枚に展開する

学会要旨から材料を取り出したら、用途ごとに長さを変えます。

用途文字量の目安書き方のポイント
ESの研究内容欄200〜400字背景を短くし、自分の工夫を1文入れる
アカリクの研究内容欄400〜800字程度を意識専門性、スキル、研究での役割を見せる
研究概要書A4 1枚程度図表や見出しを使い、読みやすく整理する
面接での説明1分・3分目的、方法、結果、自分の工夫を口頭で言える形にする

アカリクなどのスカウト型サービスでは、研究内容やスキルを登録しておくことで企業との接点を作りやすくなります。公式サイトでも「研究内容」を見た企業からスカウトが届く導線が説明されています。

プロフィール欄にどう展開するか悩む場合は、アカリクプロフィールの書き方を参考にすると、研究内容をスカウトにつながる形へ整えやすくなります。

ポスター発表から研究内容を書く手順

ポスター発表の経験がある人は、要旨よりも材料が多いはずです。
図表、フローチャート、写真、結果グラフを使えば、研究概要書の文章をかなり作りやすくなります。

図表から文章を起こす基本手順

ポスターの図表を文章にするときは、次の順番で考えます。

  1. その図表は何を示しているか
  2. どの条件を比較しているか
  3. 結果として何が違ったか
  4. その違いから何を考えたか
  5. 次に何を検証する必要があるか

たとえば、圧縮強度のグラフがある場合は、次のように文章化できます。

材齢ごとの圧縮強度を比較した結果、混和材Aを添加した試料では初期材齢で強度が高くなる傾向が見られた。一方で、添加率を上げすぎると流動性が低下する可能性があったため、強度だけでなく施工性も含めて条件を検討している。

この文章では、単に「グラフから強度が上がった」と書いているだけではありません。
比較条件、結果、考察、今後の検討が入っています。

ポスターの各パーツを研究概要書に対応させる

ポスターの内容は、研究概要書の各項目に置き換えられます。

ポスターのパーツ研究概要書での使い方
タイトル研究テーマ名
Introduction背景・課題
Objective目的
Experimental / Method研究方法
Results結果
Discussion考察
Conclusionまとめ・今後の展望
図表・写真A4 1枚の視覚情報
発表時に聞かれた質問面接で聞かれやすい質問への対策

特に、発表時に質問された内容は就活でも役立ちます。
学会で聞かれた質問は、「専門家が気になった点」です。面接では、それを少しやさしく言い換えて聞かれることがあります。

たとえば、学会で「その条件にした理由は?」と聞かれたなら、面接でも「実験条件はどのように決めたのですか?」と聞かれる可能性があります。

学会要旨から研究概要書に直す例文

ここでは、学会要旨風の文章を就活用に書き換える例を示します。

元の学会要旨風の文章

高炉スラグ微粉末を用いたセメント硬化体を対象に、材齢初期における水和反応と圧縮強度発現性の関係を検討した。水結合材比および置換率を変化させた試料を作製し、XRDおよびTG-DTAにより水和生成物を評価した。その結果、置換率の違いにより水和生成物量および圧縮強度に差異が認められた。

この文章は研究としては自然ですが、就活用としては少し専門寄りです。
また、自分が何を考えて取り組んだのかが見えにくいです。

就活用の研究概要書に書き換えた例

私は、高炉スラグ微粉末を用いたセメント材料について、初期強度がどのように発現するかを研究している。高炉スラグ微粉末は、セメント使用量の低減や環境負荷の抑制につながる材料として注目される一方、配合条件によって初期の強度発現が変わりやすいことが課題である。そこで本研究では、水と粉体の比率や高炉スラグの置換率を変えた試料を作製し、強度試験と生成物の分析を行った。分析では、X線回折法などを用いて、どのような反応生成物ができているかを確認した。その結果、置換率の違いによって生成物量と圧縮強度に差が見られ、初期強度には反応の進み方が影響している可能性が示された。今後は、強度と反応生成物の関係をより定量的に整理し、実用上扱いやすい配合条件を検討したい。

この例では、学会要旨の情報を残しつつ、次の点を足しています。

  • 高炉スラグ微粉末を使う背景
  • 専門用語の簡単な説明
  • 何を比較したか
  • 何が分かったか
  • 今後どう進めるか

さらに就活向けにするなら、最後に次の1文を足してもよいです。

この研究を通じて、材料条件を一つずつ変えながら結果を比較し、複数のデータから原因を考える力を身につけた。

研究概要書では、このような「経験から得た力」があると、自己PRや面接にもつなげやすくなります。

未発表データ・共同研究・機密情報の扱い

学会要旨やポスターを就活に流用するときに、必ず注意したいのが未発表データや共同研究の扱いです。

研究室、共同研究先、企業との契約内容によって、どこまで書いてよいかは変わります。
少しでも迷う場合は、指導教員や共同研究の担当者に確認してください。

書かない方がよい情報

以下の情報は、就活書類にそのまま書かない方が安全です。

  • 未発表の具体的な数値データ
  • 共同研究先の企業名や製品名
  • 特許出願前の技術内容
  • 研究室内だけで共有されている解析条件
  • 共同研究先から提供された試料の詳細
  • 論文投稿前の結論を断定する表現

特に、企業との共同研究では「学会では発表できるが、就活書類には細かく書かない方がよい」ケースもあります。

共同研究テーマを就活でどう説明するか悩む人は、共同研究でも書ける研究内容の伝え方も確認しておくと安心です。

ぼかして書くときの言い換え例

機密性がある場合でも、研究経験をまったく書けないわけではありません。
具体情報を伏せながら、課題設定や検証プロセスを伝えることはできます。

書きすぎの例安全寄りの言い換え例
企業Aから提供された○○材料を使用した共同研究先から提供された材料を対象とした
添加率5%で強度が18%向上した特定条件で強度向上の傾向を確認した
新規添加剤Xにより反応が促進されたある添加条件で反応挙動に変化が見られた
製品名○○の劣化原因を解析した実材料を対象に劣化要因の解析を行った
特許化予定の手法を検討した新しい評価手法の検討に携わった

就活では、具体的な中身をすべて開示するよりも、「守秘を意識しながら説明できること」自体が評価される場合もあります。
面接で深掘りされたときは、「共同研究に関わるため詳細は控えますが、私が担当したのは実験条件の設計とデータ整理です」のように、自分の役割へ話を戻すと答えやすくなります。

アカリク・ES・研究概要書への展開方法

学会要旨やポスターから作った文章は、用途ごとに少しずつ調整して使えます。

ESの研究内容欄では「短く分かりやすく」

ESでは、文字数が限られることが多いです。
そのため、背景を短くし、目的・方法・結果・学びをコンパクトに入れます。

例文:

私は、セメント材料の初期強度を高める配合条件について研究している。環境負荷低減の観点から混和材の活用が進む一方、配合条件によって強度発現が変わりやすいことが課題である。そこで、混和材の置換率を変えた試料を作製し、強度試験と生成物分析を行った。その結果、置換率によって反応生成物量と強度に差が見られた。今後は、強度と反応の関係を整理し、実用性の高い条件を検討したい。

ESでは、細かい実験条件よりも「何を課題とし、どう検証したか」を優先します。

アカリクの研究内容欄では「専門性とスキル」を見せる

アカリクのような理系向け就活サービスでは、研究内容を見て企業が興味を持つ可能性があります。
そのため、ESよりも少し詳しく、扱える手法やスキルも入れると伝わりやすくなります。

入れたい要素は次の通りです。

  • 研究テーマ
  • 研究背景
  • 使用している実験・解析手法
  • 自分の担当範囲
  • 現時点での結果・進捗
  • 研究を通じて得たスキル
  • 志望職種につながる経験

例文:

セメント系材料の初期強度発現に関する研究に取り組んでいます。混和材を用いた材料は環境負荷低減に有効ですが、配合条件によって初期材齢の強度が変化しやすい点が課題です。私は、置換率や水結合材比を変えた試料を作製し、圧縮強度試験、X線回折法、熱分析などを用いて、反応生成物と強度の関係を調べています。実験では、試料作製から測定、データ整理、条件比較までを担当しています。現在は、特定の配合条件で初期強度が向上する傾向を確認しており、今後は再現性の確認と反応メカニズムの整理を進める予定です。この研究を通じて、複数の評価指標を組み合わせて原因を考える力を身につけました。

A4 1枚の研究概要書では「見出しと図表」を使う

A4 1枚の研究概要書では、文章だけで詰め込むよりも、見出しと図表を使った方が読みやすくなります。

おすすめの構成は次の通りです。

  1. 研究タイトル
  2. 背景・目的
  3. 研究方法
  4. 結果・進捗
  5. 考察・今後の展望
  6. 研究を通じて得た力

ポスターで使った図表をそのまま使う場合も、注意が必要です。
学会用の図は専門家向けなので、就活用では軸ラベルや凡例を少し分かりやすく直した方がよいです。

たとえば、図のタイトルを「材齢ごとの圧縮強度」ではなく、「配合条件による初期強度の違い」のようにすると、何を見ればよいかが伝わりやすくなります。

研究要旨を書き換えるときのNG例

学会要旨を研究概要書に直すときは、次のような書き方に注意してください。

NG例1:専門用語を並べただけになる

XRD、TG-DTA、SEMを用いて水和生成物を評価し、圧縮強度との関係を検討した。

この文章は間違いではありません。
ただ、専門外の人には「いろいろな分析をした」以上のことが伝わりにくいです。

改善例:

複数の分析手法を用いて、セメントが水と反応してできる生成物を調べ、材料の強度との関係を検討した。特に、反応生成物の量や種類が強度発現にどう影響するかに注目した。

NG例2:結果だけで終わる

添加率の増加により圧縮強度が向上した。

結果は分かりますが、就活用としては短すぎます。
何を考え、どう検証したのかが見えません。

改善例:

添加率を段階的に変えた試料を作製し、圧縮強度を比較した。その結果、一定範囲では添加率の増加により強度が向上する傾向が見られた。一方で、過剰添加による流動性低下の可能性もあるため、強度と施工性の両面から条件を検討している。

NG例3:自分の役割が分からない

本研究では、各種分析により反応生成物と強度の関係を明らかにした。

「本研究では」と書くと、研究室全体の成果なのか、自分が担当した内容なのかが分かりにくいです。

改善例:

私は、試料作製、圧縮強度試験、分析データの整理を担当した。得られた結果を配合条件ごとに比較し、反応生成物の違いが強度発現に与える影響を検討した。

共同研究や研究室テーマの場合ほど、「自分の担当範囲」を明確にすると伝わりやすくなります。

書き換え前に確認したいチェックリスト

学会要旨やポスターを研究概要書に流用する前に、次の項目を確認してください。

  • 読み手が専門外でも研究の目的が分かるか
  • 研究背景が長すぎないか
  • 専門用語に短い説明を添えているか
  • 方法が装置名の羅列になっていないか
  • 結果と考察を分けて書けているか
  • 自分の担当範囲が分かるか
  • 未発表データや機密情報を書きすぎていないか
  • 最後に研究で得た力が入っているか
  • ES、アカリク、研究概要書で文章量を変えているか
  • 面接で聞かれても説明できる内容になっているか

このチェックを通すだけでも、「学会向けの文章」から「就活で伝わる文章」にかなり近づきます。

よくある質問

学会発表をしていなくても、研究概要書は書けますか?

書けます。
学会要旨やポスターがない場合でも、研究計画書、卒論・修論の章立て、ゼミ発表資料、実験ノートを材料にできます。

まだ結果が出ていない場合は、無理に成果を盛る必要はありません。
「背景整理」「実験条件の設計」「予備実験」「今後の検証方針」まで書けば、研究の進め方は伝えられます。

学会要旨をコピペして提出してもよいですか?

おすすめはしません。
学会要旨は専門家向けに書かれているため、就活用としては専門用語が多く、自分の工夫や担当範囲が見えにくいことがあります。

まずは学会要旨を材料として分解し、専門外の人にも伝わる言葉に直してください。
特に、背景を短くし、自分の役割と研究で得た力を足すのがポイントです。

未発表データはどこまで書いてよいですか?

研究室や共同研究先の方針によります。
公開前の具体的な数値、企業名、製品名、特許に関わる内容は、自己判断で書かない方が安全です。

迷う場合は、指導教員に「就活書類にこの範囲まで書いてよいか」を確認してください。
書けない情報がある場合でも、「特定条件で傾向を確認した」「複数条件で比較した」のように、具体値を伏せて説明できます。

ポスターの図表は研究概要書にそのまま使えますか?

使える場合もありますが、就活用に少し直した方が読みやすいです。
学会ポスターの図表は専門家向けなので、略語や細かい条件が多いことがあります。

就活用では、図のタイトル、軸ラベル、注釈を分かりやすくし、「この図から何が分かるのか」を本文で1〜2文補足すると伝わりやすくなります。

まとめ:学会要旨は、就活用に直せば強い材料になる

学会要旨やポスターは、就活用の研究概要書を作るうえでかなり使える材料です。
ただし、そのまま貼るのではなく、読み手に合わせて直す必要があります。

まずは、手元の要旨を「背景・目的・方法・結果・考察」に分けてください。
次に、専門用語へ短い説明を足し、自分の担当範囲や工夫を加えます。
最後に、ES、アカリク、A4 1枚の研究概要書など、提出先に合わせて長さを調整します。

忙しいB4・修士学生ほど、ゼロから書こうとすると止まりやすいです。
すでにある学会要旨、ポスター、ゼミ資料を材料にして、就活用の文章へ作り直す方が現実的です。

最初の一歩として、今日やるなら次の3つで十分です。

  1. 学会要旨やポスターから「目的・方法・結果」を抜き出す
  2. 専門用語に一言説明を足す
  3. 自分が担当した作業と工夫を3つ書き出す

ここまでできれば、研究概要書、ES、アカリクプロフィールの土台は作れます。
あとは提出先に合わせて削る・足す・並べ替えるだけです。

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