この記事は、これから院試を受けるB4、M1の人に向けた内容となっています。
ほとんどの大学で院試の英語試験としてTOEFLの公式スコアが求められるようになってきました。
特に、東京大学(東大)などの旧帝国大学(旧帝)と言われる大学の一部の学科では、英語能力の評価がTOEFLオンリーとなっている点には注意が必要でしょう。
これからは、AIの発達により、読み書きできる能力ではなくスピーキングやライティングの技能がより重視される傾向にあると思います。
そのため、TOEFLのテスト対策を行い、一定の水準の公式スコアを持っておくことで自分の英語能力が評価されやすくなるはずです。
また、大学院入試のアナウンスは基本的に4月以降(第一次募集の場合)であるため、発表された時に
TOEFLオンリーに変更だった…
これからTOEFLのテストなんて受ける時間ないよ…
なんて悲劇が起きないためにも、できればTOEFLの公式スコアを持っておくことが無難だと思います。
(願書提出の1月前にはTOEFLのスコアを持っておくのが理想です。東大の2024年試験だと、6月5日ごろ必着。)
大体、遅くとも5月の頭までにはTOEFLのスコアを取り終わっている必要がありそうですね
こう聞くと意外と院試まで時間がなくて焦っている人が多いはず。少なくとも自分は内心焦っています笑
そこでこの記事では、2024年3月現在におけるTOEFLの問題傾向を分析し、目標点数を取得するために必要な対策について検討します。
2023年にTOEFLの問題が改定され、試験時間が約2時間と短くなりました。
ここでは、その変更を踏まえたセクション別の傾向を見ていきたいと思います。
KotsuKotsuさんが、TOEFLの変更点を分かりやすく表にまとめてくれているので、それを引用します。
形式 試験実施期間 | 新形式 2023年7月26日以降 | これまでの形式 2019年8月~2023年7月25日まで | |
---|---|---|---|
Reading | パッセージの数 | 2つ | 3~4つ |
1パッセージの設問数 | 10問 | 10問 | |
試験時間 | 35分 | 54~72分 | |
Listening | 講義形式 | 3題(各6問) | 3~4題(各6問) |
対話形式 | 2題(各5問) | 2~3題(各5問) | |
設問数 | 28問 | 28~39問 | |
試験時間 | 36分 | 41~57分 | |
休憩 | なし | あり(10分) | |
Speaking | タスク数 | 4 | 4 |
出題形式 | Independent task 1問 Integrated tasks 3問 Reading + Listening → Speaking 2問、 Listening → Speaking 1問 | Independent task 1問 Integrated tasks 3問 Reading + Listening → Speaking 2問、 Listening → Speaking 1問 | |
試験時間 | 16分 | 17分 | |
Writing | タスク数 | 2 | 2 |
出題形式 | Academic Discussion task 1問(10分) Integrated tasks 1問(20分) Reading + Listening → Writing | Independent task 1問(30分) Integrated task 1問(20分) Reading + Listening → Writing | |
試験時間 | 29分 | 50分 | |
試験時間 | 約2時間 | 約3時間 |
※ KotsuKotsu:https://www.nichibeieigo.jp/kotsukotsu/exam/6661/
出題されるパッセージ数が3題→2題へと変更されました。
各パッセージにある問題数に変更はありません。(10問/1パッセージ、合計20問)
試験時間は、1パッセージあたり18分です。
問題数自体で見れば20問しかなく、各問題の配点の比重が高まっている点には注意が必要でしょう。
Readingセクションの問題内容は、
・語彙問題(類似単語の選択):1〜2問
・内容理解問題:7〜8問
・要約問題(選択肢6個の中から、3個を選択):1問
の3つに分かれています。各パッセージあたり15点が配分されることを考慮すると、予想配点としては下記のようになると推測しています。
・語彙問題:1点
・内容理解問題:11点(各2点、内1点あり)
・要約問題:3点
パッセージの最後の問題(10問目)である要約問題は旧形式では「2点」でした。
したがって、新形式では3点として扱われる可能性が高いと思います。
選択する選択肢が3個であるため、1個あたり1点の配分になるのがスッキリしてそうですね。
公式ページでListeningの出題内容と傾向が示されているので、詳しく知りたい方は以下のURLから自分で調べてみてください。
ここでは、公式サイトで紹介されている内容から重要だと思った箇所を抜粋してまとめています。
- 講義3回、各3~5分、一部はクラスルームディスカッション、講義1回につき6問
- 会話2回、各3分、会話1回につき5つの質問
パッセージ数は、全部で5つ。
1つのパッセージあたり約3分程度の会話という点がTOEFLリスニングの大きなポイントです。
特に、リスニング中はメモを取ることができますが問題の先読みはできません。
そのため、リスニングは会話の内容を1から10まで理解できないと得点が取りづらい分野となっています。
個人的には断片的にでもいいのでメモを取りつつ読み進めていくのがいいのかなと感じています
実際に何回か過去問を解いてみて、自分に向いているスタイルを探すのがおすすめです。
配点に関して、全部で28問出題されることから1問あたり1点と見積もることができそうです。
Integrated task :20分とAcademic Discussion task:10分の計30分のテストです。
・Integrated task は150〜225語
・Academic Discussion taskは100語〜
の英作文問題となっています。
リーティングとリスニングを行った後に、その内容を要約する課題
内容を要約するだけなので、正確に聞き取ることができればその内容を丸パクリするだけで大丈夫とされています。
3分間のリーディングと2分間のリスニングがセットになった問題なので、読解力と理解力が試されます。
リスニングに関しては、2分程度と長いためListeningセクションで述べたようにキーポイントを単語(日本語でも○)でメモしておくと後々楽そうです。
この問題に関しては、過去問を繰り返すことで慣れることができると思うので過去問は絶対に買っておきましょう。
教授の質問に対する他生徒の回答を参考にし、自分の意見を投稿
採点のポイントは、
・論理的な表現ができているのか
・文法、単語に誤りがないか
が大きな採点基準となっているようです。エッセイサービスやChatGPT、GeminiなどのAIを活用しながら採点してもらうことで対策を取りましょう。
まず、院試に必要とされるTOEFLの点数が80点と言われています。
大学、学部等によって異なると思うが、とりあえず80点。最悪でも70点以上をTOEFLの目標点数とするのがいいでしょう。
現在、私は「TOEFLテスト集中攻略リーディング」を中心にリーディング問題を解いています。
問題を解いてみて、平均7割ほどの正答率で上手くいくと8割ぐらいまで伸びそうなことが予想できている状態です。
点数換算して見ると、21〜24点ぐらいが予想点数です。
以上のことから、TOEFL本番では22点を目標とします。
問われている内容自体は、TOEICなどと比べると比較的易しい傾向にあります。
ただ、1パッセージあたり3〜5分と長いため、内容を覚えられないと地獄を見そうな点には注意が必要です。
過去問にまだ手をつけられていませんが、TOEFL本番では20点を目指して勉強したいと考えています。
ライティングは英文の型を覚えられれば、安定した点数を取れる…と言われています。
実際、型だけを覚えて英検1級などの英作文も受けたことがありますが、7割近い点数をもらえていることからあながち間違いでもなさそうです。
リーディングと同様に勉強すれば点数を取れそうな科目なので、TOEFL本番では22点を目標としています。
スピーキングについては、期待できません。
Elsa Speakingを用いて発音矯正は行なっていますが、会話となると話は違ってくるため高得点は望めなさそうです。
原理を言えば、ライティングと同様にある程度型を覚えることで点数は取れそうではあります。
しかし、Speakingを行うにあたって準備時間が10秒と短いことからも高得点は諦めることにしています。
よって、TOEFL本番では16点を目標点数としています。
上記の目標点数を表にすると下記のようになります。
Reading | Listening | Writing | Speaking | 合計 |
22点 | 20点 | 22点 | 16点 | 80点 |
TOEFLの試験対策に関しては、古田さんの「TOEFL完全攻略 -勉強法マップ-」が参考になるので一度読んでおくべきだと思います。
古田さんも言っていますが、基本的に過去問を周回するのが最適な勉強法なようです。
ただ、過去問については以下の注意が必要です。
・TOEFL公式サイトでしか売っていない
・紙媒体はタイミングによっては売り切れてしまう
・電子版も購入できるが、とても見づらく勉強がしにくい
このような注意点があることから、もし紙媒体の過去問が手に入らない人は別途参考書を買って勉強するのもありかと思います。
その際、Amazonなどの先人たちのレビューを参考にしながら購入することをお勧めします。
私は、トフルゼミナールの「TOEFLテスト集中攻略リーディング」を使ってリーディング対策しています。
この問題集は、
・自然科学分野:7パッセージ
・人文、社会科学分野:6パッセージ
・実践模試:4パッセージ
計17パッセージを解くことができます。問題の形式もTOEFL本試験に似せているので、リーディングの過去問演習にも最適かと思います。
私の場合、1日2〜3パッセージを解いて勉強を進めています。
リスニングは、過去問で勉強するようにしています。
古田さんも言っていますが、問題文を全て聞き取れるようになるまで聞き返すことが大事なので他の教材は使っていません。
1日あたり過去問1回分を目安に学習をしています。
Writingに関しては、過去問演習で対策を取れないので三修社の「英語で話す力」を使って勉強しています。
この本のいいところが、
・意見を述べるための表現を豊富に扱っている
・実際の問いに対する主張を通して学んだ表現をアウトプットできる
この2点になります。例えば、
- 田舎の生活スタイルの方が都会の生活スタイルよりも好ましいですか
- 田舎での生活スタイルの方が好ましい。(自分の意見〜)
このような形で学習ができるので、本番でも使えるような表現技法を習得しやすいと思います。
諦めです。強いていえば、瞬間英作文がおすすめとのことでした。
お金に余裕があるのであれば、ELSA Speakで発音矯正してSpeakで英会話対策をするといいかもしれません。
院試に向けたTOEFLの傾向分析ならびに対策について解説しました。
コロナ禍でTOEICでの英語能力評価が導入されましたが、コロナ禍が明けた現在では徐々にTOEFLオンリーに切り替わっている大学院が結構あります。
自分の志望する大学院がTOEFLオンリーなのかどうかは常にアンテナを張っておくべきです。
ちなみに、私はTOEFLオンリーなことを知らずに、TOEICを無駄に受けています…
TOEICの方が対策が取りやすいため、TOEICの勉強だけをしたい気持ちもわかります。
ですが、安心材料として時間のある人はTOEFLのスコアも取っておくことをお勧めします。